総 覧
この二週間は経団連や麻生派の研修会をはじめ、6カ所で講演依頼がありました。政治家になってこれほど頻繁に講演依頼があるのも珍しいことです。それだけビッグデータ革命やデジタル革命と言われる現在、列国がデジタル覇権主義にどう向き合っていくか、ドッグイヤーどころか一年が十年に匹敵するような変革の速さにどうついていくか、皆、必死に模索をしているからだと思います。私の講演が終わると傍聴していた記者からすら第4次産業革命とかソサイエティー5.0と言われている政策の中身が頭の中でようやく繋がりましたと言われる程なので、いかに実態がどう変化し、それが将来にどう繋がるか、理解している人が少ない中で不安だけが広がっているという状況なのでしょう。私のリポートの愛読者の中で今ひとつ実態が整理できないという方は先般、全国家具経済同友会の例会で講演した内容にリンクを貼れるようにしますので、それを読んで頂ければ第4次産業革命とソサイエティー5.0(第5次社会)との関係や、中国のデジタル覇権・データ覇権との関係がお分かり頂けるかと思います。何を隠そう、私は日中友好議員連盟の顧問ですが、それが故に中国には国際社会を担う強大国の一つにまでなった以上、それに伴う責務を自覚してもらいたいが故の警鐘です。王毅外務大臣の居丈高な態度に対し、河野外相の「中国には大国としての自覚と責任を感じてほしい」との発言と通ずるものです。憲法を改正し、自身が終身皇帝として君臨するのではないかと世界中に疑われるような姿勢ではなく、世界のために汗を流す。その振りをして覇権に邁進をすることがすぐに見破られるような対応ではなく、真のオブリゲーションを実践してほしいと願っている一人です。
昨日まで公海であった南シナ海を今日から突然中国の内海だと主張し、対岸国の間際まで埋め立てて基地を作るなどということに正当性は微塵もありません。中国のこれら傍若無人の行動は地政学的に検証すれば今後何をやりたいかは見えてきます。中国を下側にして上側に日本列島が来るように地図をひっくり返して見れば、中国が自由に太平洋に出るのを塞いでいる蓋になっているのが日本列島だということはすぐにわかります。第二次アヘン戦争(アロー戦争)のどさくさに乗じ、ロシアは中国の日本海側を細長く収奪し、北朝鮮の国境まで自身の領土に組み入れました。日本海に直接出ることができなくなった中国は東シナ海から南シナ海を奪取する軍事上の必要性があります。太平洋に核弾頭付きの潜水艦を自在に配置できるということが、中国の安全保障上の最終安心材料なので、そのためには南シナ海と東シナ海を統治下に置く軍事上の必要性があるからです。地政学を学び、各国の戦略上の必要性を学び、それにどう対処するかが世界の安全保障政策の常識なのです。
空中や海上や海中の覇権は目に見えるものです。これに加え、目に見えない覇権がデジタル・データ・サイバー覇権とそれぞれ呼ばれるものです。2年前、中国製スマホのフラッシュメモリーの中にマルウェアが入っているのをアメリカの企業が発見しました。72時間毎にスマホの中身を中国のクラウドに送信するというものでした。アメリカに供給される電子機器のサプライチェーンにまで細かくセキュリティ・クリアランスを掛けるという動きが一挙に広まっています。日々刻々変わるサイバー対応についていけるかが企業の存続に関わってきます。
今週の出来事「G(爺)20?」
国会終了直後に海外出張中の麻生副総理からメールが来ました。
「182日間お世話になりました。こちらは10時間掛けてようやくドバイに到着したところです。今、午前3時。トランジットで4時間後にはアルゼンチンへ出発します。所要時間は20時間。途中、リオデジャネイロで給油だそうです。私の働き方改革はどうなっているんでしょうか?」〈後期高齢者 麻生太郎〉
G20終了後、そのまま麻生派の研修会場に直帰し、エネルギッシュに講演されてました。78歳? 超人ですよ!第4次産業革命(AI・ロボット)を自ら実践してるんじゃないですかね?中身はきっと人工知能付きロボットですよ。(笑) 不規則発言機能が付いてる最高級のやつ。
・・・ゴメンナサイ、俺にも付いてました。(笑)