総 覧
国会が閉幕した後に、集団的自衛権に関する集中審議も予算委員会の閉会中審査という異例の形で行われ、安倍総理はいつも以上に丁寧にその必要性を説明致しました。日本に密接な関係のある国が攻撃を受け、放置しておけば日本に重大な危害が及ぶ場合には共同してそれを排除するという至極当たり前な対応に、一部のテレビや新聞は意図的にミスリードをしているかのような報道ぶりです。
集団的自衛権は中国・韓国を含め世界中の国々が行使が出来るとしています。アメリカを含めほとんどの国が当然のことと受け止めている中、中国・韓国のみが「自身では行使をするけれども日本には認めさせない」という論理は全く説得力がありません。しかもほとんどの国が前提条件なしに集団的自衛権を行使出来るとしている中で、日本は極めて厳しい前提条件を付けています。
選挙区で話をすると「孫が戦場に徴兵されるのではないか」などと真顔で尋ねてくる女性がいますが、「テレビでそう言っている。」ということですから、マスコミがいかにミスリードしているかということです。相手の国を侵略すればみんなが反撃に出るという仕組みが、「力ずくで現状変更は出来ない」という抑止力に繋がるという事実を直視していかなければなりません。
さて、永田町周辺の関心は秋の内閣改造に移っています。日経新聞が8月下旬改造と書けば、産経新聞は9月3日改造と対抗してきます。内閣改造は総理大臣の専権事項であり、時期や規模は安倍総理の胸の内ですが、さぞかし悩ましい思いでおられると思います。『麻生副総理はなるべく小規模で、甘利大臣はなるべく大規模で』と新聞が報じておりましたが、両者が周辺にそういうことを漏らしたのは事実です。うまくいっている内閣は人を入れ替える分だけリスクが伴うとの麻生副総理の考えはその通りでありますし、入閣待機組が50人もいる自民党で新規入閣者が2~3人ということになれば党内の不満が暴発しかねないのも事実です。諸々に心を砕きながら夏休み中、総理がじっくりと人事構想を練られると思います。
内閣改造後の秋の臨時国会は地方創生と女性の活躍促進の2本柱になる模様です。先週金曜日の閣僚懇で総理から地方創生のための本部設置の指示が下されました。この本部は本部長である総理により『まち・ひと・しごと創生本部』と命名されました。内閣改造の際に担当大臣が決まり、そこから正式にスタート致します。事務体制は数十人程度の規模でありますから日本経済再生本部と同規模となります。国交省、総務省、厚労省、経産省、そして内閣府を中心とした体制になり、年明けに対策取りまとめをしていく予定です。
アベノミクスの地方展開、ローカルアベノミクスと経済財政諮問会議の下に設置をされた50年後のあるべき未来像を提案する「選択する未来委員会の提言」、あるいは増田元岩手県知事率いる日本創成会議の提案した「このままでは50年後には半分の自治体が消滅をする」とした増田ショックへの政策対応等が取り組むべき素地になると思います。まずは各省バラバラに行っている地方振興策のワンパッケージ化です。
さらに女性の活躍促進として、国際社会で活躍している世界の女性リーダーを集めた女性版ダボス会議とも言うべきシンポジウムの開催を始め、年収103万円までの配偶者控除、130万円を超えると厚生年金・健康保険の負担、主人側の企業による配偶者手当の所得制限など。税・社会保障・企業手当を女性の働き方に中立な制度とするための取組み等、我が国最大の潜在力、女性の力を引き出すための取組みです。