総 覧
吉本興業のお笑い芸人「次長課長」の河本準一氏の母親が生活保護を受給していた事が発覚し、事件となっています。
河本氏は下積みで苦労した後に売れっ子になった芸人であるだけに、テレビで見る限り後輩の面倒見も良く人情味溢れる人のようなので、これ以上、社会的制裁を与えるのも少し可哀想な気がします。
この事件が問題提起をした事は、本人に生活能力がない場合でも子どもが十分な収入を得ている場合、当事者間にどう意識喚起をさせるのか。つまり、子どもが親を養い得るに十分な収入を得られるようになった時点で、親がスムーズに生活保護を脱するよう、どう迅速に当事者間に意識喚起を行うかという点と、支払い原資が税金である以上、貰い得のシステムから必要最低限のセーフティーネットに改組していくという点です。加えて、生活保護を脱して自立していく道を実行有らしめる様、どう設計し直すかという事も肝要です。
働こうにも収入が出来た分だけ生活保護受給額が減らされるならば働かない方が得という事になります。収入が生活保護受給額を超えていくまでは、減額される分を半分にするとか、車を持ってはいけないという要件を外すとか、自立に向けた現実的な設計をし直すべきだと思います。
40年間コツコツと保険料を払い続けてきた国民年金受給者の家庭より、一銭も払わず生活保護を受給している家庭の方が高収入では、真面目に保険料を払おうという人は減っていきます。
政権交代してたちまち、民主党は生活保護手続きに関し厚労省課長通達を出させました。「申請のあった物は本人の意向を尊重し迅速に受理せよ」というものです。それもあって、2年間で生活保護受給者は 25%も増え、支出額は 3兆7千億円にも達しています。
働いている事を隠して受給している者、偽装離婚して受給している者等、不正受給が後を絶ちません。また、ホームレスをかき集めて掘っ立て小屋に収容し、生活保護手続きをさせて上前をはねているビジネスも横行しています。
自民党は、受給額 の 10%カットと、別途収入を将来受給者が自立するための預金として積んでおく分は減額対象から外す提言をしています。
まずは公助ありきの政策ではなく、自立・自助を後押しする政策が一丁目一番地なのです。
さて、先週は我々にとって辛い 1週間でした。火曜日の朝、米側から通告があるや、3日連続、空母離着陸訓練 (NLP) が厚木基地で行われました。艦載機が FA18 に変わってから騒音が一段と激しくなり、私どもの事務所も抗議の電話が鳴りっぱなしでした。
訓練の 9割は硫黄島に移転 (井上孝俊元大和市長の悲願を受け、私も微力を尽くしました) しましたが、硫黄島の天候や米軍の緊急事情等が NLP ゼロにならない理由です。
6 - 7年前、当時の安倍晋三幹事長と協議をし、岩国基地で艦載機部隊を受け入れる事になりましたが、強行に反対する岩国市長の対抗馬として自民党の福田良彦衆議院議員が、議員を辞してまでして市長選に立候補し、激戦を勝ち抜いた後、地元と協議し、受け入れを表明してくれた歴史を忘れてはいけないと思います。
「岩国の民主党が反対するのはともかくとして、神奈川県の民主党が岩国に出張ってきて反対運動に参加する事には憤りを覚えます。神奈川からは感謝こそされ、糾弾される覚えはないのに。」と訴える福田氏に逢わせる顔がありませんでした。
2回目の選挙を目前に控えた昨年暮れにも私の事務所を訪れ、「約束通り受け入れは粛々と進めて行きます。」と表明戴きました。自民党の政治家は民主党とは使命感と責任感が根本的に異なると再認識したひと時でした。