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昨日 (12月 9日) で臨時国会が閉幕いたしました。それにしても変な幕切れです。
法案成立率は最低の 34.2%。同様のねじれ国会のもとでも、安倍・福田内閣では 70%以上ありました。しかも、会期延長の余裕があったにもかかわらず、閣僚の問責決議が通ると厄介なので閉めてしまいました。
最終日に田中真紀子委員長率いる外務委員会で、野党も賛成の条約を強行採決するという前代未聞の事態まで発生しました。時間がないのでまともな審議もせずに採決してしまおうという与党に対し、「いくら賛成の案件とはいえ一通りの審議をしないのは乱暴すぎる。会期をほんの少し延長すればすむだけの事だから」という野党側のごく真っ当な主張でしたが、「ならば強行採決で!」という結果にされてしまいました。
しかも、強行採決をしようとしたら与党側の議員の定足数が足らず、慌てて他の委員会終了後に応援部隊を動員して強行採決を仕切りなおすお粗末さ。マスコミはこうしたドタバタをほとんど報道しないものですから、ノンルール状態は拡大するばかりです。
そうした中でも、自民党が提案した震災被災者の二重ローン救済法等、野党主導で成立した案件はいくつもありますが、残念な事は公務員給与削減法案が成立しなかった事です。
国会議員は半年間にわたり合計 300万円を歳費から義援金に振り向ける法案を成立させ実施がすでに終わっていますが、政府は復興対策の財源の一部に充てるために国家公務員給与を 7.8%、ニ年間に限って引き下げるという法案を提出しました。その代わり、人事院勧告の引き下げ分は無視するという提案です。
自民党や公明党は民間給与の下げ幅と連動する人事院勧告の引き下げも加えるべきで、さらには地方公務員にも同様の引き下げを要請すべきだと主張しましたが、民主党はこれを受け入れず法案は未成立の結果、逆に満額支給という事になってしまいました。公務員制度改革を放り出したまま労働組合に団体交渉権だけ付与してしまおうという意図が見え見えです。
そもそも、内閣に対する不信任意思表示としては衆議院における内閣不信任決議案しか法律上の規定はありません。1998年、小渕内閣の時に額賀防衛庁長官に対し参議院において法的拘束力のない問責決議なる手法を編み出したのは当の民主党であったわけです。
法的拘束力のない問責決議を提出し、可決されるや国会が否定をしている大臣であるので審議に応じないとするのはいささかやり過ぎの感も否めませんが、このやり方を編み出して上記の理屈を主張したのは野党時代の民主党自身ですから自分で自分の足をすくったという事になります。
個人的に言えば、法的拘束力のない問責には平時において与野党でルールを作るべきだと思っています。
さて、来年 1月 22日が自民党大会ですが、前日土曜の午後から甘利調査会 (経済・財政・金融調査会) のワークショップを開くよう、党から要請されました。この分野のビッグネームをゲストに招き、調査会の役員 2 - 3人とでディスカッションをネット中継も交えて行おうと思っています。
デフレの原因、その克服と経済成長へのシナリオ、企業の新たなビジネスモデルの構築や新たな国家経済モデルの構築等、きわめてタイムリーなディスカッションにしたいと思っています。
私の主宰する政策集団「さいこう 日本」ならびに私が会長を務める「自民党 経済・財政・金融調査会」が日本再興・再生の道筋をつけようと思っています。