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『新報道 2001』(NHK) から緊急出演依頼がありました。いつもに比べて出演依頼が間際であったために事情を聞いたところ、民主党の行革関係者に事業仕分けの見通しについて取材しようとしたがドタキャンになってしまった、との事です。
どうやら、また小沢幹事長が「ボロが出るからテレビ出演は控えよ」と指示したという噂でした。結局、仕分けチーム特集はボツになり、山岡民主党国対委員長 V.S. 私という変則的な取り合わせになりました。
小沢幹事長は民主党所属議員に対し数々の強権的指示を発していると報道されています。「党内に政策審議会を作る必要はない」「議員立法は原則禁止」「与党の代表質問は廃止」等々、議会制民主主義や国会の立法権を形骸化させてしまうような数々の指令です。
民主党自体も、あらゆる点でブレまくり状態。総理の発言は日替わりメニューで前言訂正の連続、閣僚発言も野党時代とは 180度真逆の発言。「マニフェストがその通り実行できなかったら私が責任を取る」と鳩山総理が言ったかと思えば、翌週には「時間の経過とともにマニフェストの解釈は変わるものです」と言ってのけたり、「在日米軍再編の日米合意は白紙に戻す」と言ってアメリカ側の不信を買うと途端に「日米の合意は大切にしなければ」と発言をしたり「普天間の代替基地は国外が相応しい、最低でも沖縄県外だ」と総理が発言すれば、岡田外相は「県内以外には考えられない」と発言したり。
そうかと思えば、長妻厚労大臣が後期高齢者医療制度は廃止すると言っていたのに、新しい仕組みができ上がるまで当分の間存続をすると言い替える始末。かつて自民党が「受け皿案もできてないのに即時廃止して元の高齢者医療制度に戻すのは愚作だ」と言った事に罵詈雑言を浴びせた長妻さんは別な人なのでしょうか。亀井金融大臣や前原国交大臣の不用意な発言が株式市場の関係銘柄を乱高下させる等々、数え上げればとても紙面が足りません。
アメリカのウォールストリートジャーナルやワシントンポスト等、メジャーメディアがこぞって鳩山政権批判を始めました。政権発足後 1ヶ月強でこんな事態が発生するのは記憶にありません。野党とはいえ国政の責任の一端を担うわけですから、ハラハラドキドキの連続です。
口を開けば「自民党の負の遺産だ」と主張されますが、政権を担当するという事は正の遺産・負の遺産含めてすべてを受け取る覚悟を意味します。その覚悟がなければ政権を担当する資格はない事になります。
南米地域の移動体通信の方式に日本方式が採用されました。調印式は原口総務大臣が立ち会うわけですが、ここまでにこぎ付けたのは自民党政権の努力です。
また、カザフスタンでの日本企業によるウラン鉱山開発、イラクにおける日の丸原油の権益獲得の見通し、南部アフリカ地域におけるレアメタル獲得の見通し、これらはすべて前政権の取り組んだ成果です。結果として現れるのは現政権の時代ですから、良いところだけ自分のお陰、悪いところは前政権のせい、というようないいとこ取り政治は、政権を担う責任の回避であり、覚悟の不足です。
かつて、東京都知事になった美濃部氏は、都民に耳当りの良い政策を乱発し都政を最終的に大赤字にして放り出しましたが、その際「中央が自民党政府だから東京がダメになった」と捨て台詞を吐いて投げ出しました。その後を受けた鈴木都政は、懸命な努力のもとに財政健全化を果たしました。
政権を取るという事は、取った時点からすべての責任を負うと言うことを意味します。その覚悟がなければ自公に政権を返して、それに協力すべきなのです。