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いよいよ衆議院が解散され、40日間という長丁場の戦いが事実上スタートしました。政権担当能力を問う選挙になります。
年明け以降「しっかりしろ!自民党」「しっかりしろ!麻生内閣」という叱咤をずいぶん頂きました。その言葉の裏には『本当に頼りになるのは自民党しか居ないのだから、しっかりしてもらわなければ困る』というメッセージが込められているものだと思います。歴史の風雪を耐え抜いてきた自民党の信頼性とは、綺麗ごとばかり言わない、耳に心地よい事だけ言わない、耳障りな事も泥をかぶる事も厭わない、そういう姿勢が最終的に信頼に足るという評価に結びついていったのだと思います。
総理の舌足らずの発言、度重なる党内の内紛がその伝統的信頼性を貶めて来ました。今こそ自民党が原点に帰り、総理はより良い神輿となるための命懸けの努力をする事、その神輿を担ぐ我々はいかなる神輿であろうとも必ず担ぎきって見せるという気概を示す事、その二つが一体となって困難に立ち向かっていく決意となった時に自民党の底力が発揮されるはずです。
政権を担当すると、その日から国民の命と生活を預かる「いばらの道」が始まるという覚悟をする事から始まります。子供手当てで 5兆数千億円、農業所得補償で 1兆円、高速道路無料化で 2兆円、未納者にまで支払う最低保障年金へ消費税全額の 13兆円。「あれもやります。これもやります」民主党のバラ撒き政策には財源の根拠がありません。「官僚主導から政治主導に変えますから」「節約を徹底的にやりますから」「我々はやり方を変えますから」そこには言葉の遊びしかありません。
50兆円程度の税収及び税外収入しかないのに、どう節約をして毎年 20兆円を生み出すのでしょうか。手品のタネがあれば、是非教えてもらいたいものです。国家公務員の給与をゼロにしたところで (そんな事をすれば国家公務員は一人も居なくなりますが) とてもそんな数字にはなりません。
まるで撒餌をして魚を集めるようなやり方は、野党なら許されるかも知れませんが政権を競う党に許されるはずはありません。自民党がギリギリとそれを詰めていくと、民主党は苦し紛れに財源論を展開します。天下りが行っている独立行政法人や特殊法人に 12兆 1千億の国費があり、それをカットすれば 5兆も 6兆も出てくるかのような発言をします。これらの法人は、従来省庁が直接国民のために行なっていた業務を、民主党の大好きなイギリスのエージェンシー制度に倣って独立化した行政システムなのです。すべての人件費を合わせても 1千億であり、残りの 12兆は政策経費なのです。住宅ローンの金利の補填であり、国立大学の授業料の補填であり、中小企業や農業者向けの低利融資の補填資金であり、国立研究所の研究資金なのです。
子供手当ては扶養控除や配偶者控除を廃止してその財源の一部にするというのが最近の民主党の説明です。子供が 2人以上居れば減税にはなりますが、子供 1人では増税、子供が居ない家庭では年間数万円の負担増という試算になりました。子供が 2人以上居る家庭は全体の二割であり、八割の家庭では増税という結果になります。次第に民主党のメッキが剥げて来ました。
昨日は突然、中学生以下の医療費はただにすると主張し始めました。財源は…?これも節約だそうです。