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ここ数日、党内議員ならびにマスコミ関係者から (2009年) 7月上旬解散の可能性について問い合わせが殺到しました。この件に関して総理は昨夜 (2009年 6月 27日夜)「いつ解散するとも、いつ内閣改造するとも一言たりとも言った覚えはない。周りが勝手に色々言っているだけの話だ」と反論いたしました。
確かに総理がこの件に言及したという事実はまったくありません。今朝 (2009年 6月 28日朝) のテレビ (TBS系列) でも評論家たちが、解散や改造でも総理はぶれているとの『ノー天気発言』をしていました。自分たちが勝手に推測し、それを総理に否定されると「ぶれている」と、自分の見通しの間違いを総理のせいにするものですから、もはや開いた口がふさがりません。
「(2009年) 7月 2日に解散する事は、絶対ないんでしょうね。そんな事をしたら大変な事になりますよ!」と電話の向こうで叫ぶ議員に向かって「そんな事、総理は一言も言っていませんよ」と答えると「なら、命にかけてそんな事はないと保証してくれますね?」
(何で俺がお前に命をかけなきゃならないんだよ) と不愉快になる気持ちを抑えて「あなた方若手議員の、党や内閣を足蹴にして自分だけ浮かび上がろうという独りよがりの行動が『ならば早期解散で対抗か?』という疑心暗鬼を生んでくるんです。苦しい時こそ、皆で結束して支えるという意識がないからこんな報道が流れるんだ」と返答いたしました。
私が麻生総理と接している限り、総理は最適時期を模索しているのだと思います。ただし、総理の反骨精神の中には「麻生降ろしをするならこっちにも考えがあるぞ」という気持ちも内在しているのではないかと思います。
金融危機後、麻生内閣が打ってきた手立ては基本的には間違ってないし、国際的な評価も高いと思います。今回の金融危機が 1920年代のそれと異なるのは、当時なかった国際連携協調が今日にはあるという事が一番大きいのですが、それでも新興国や途上国には重大な金融危機の可能性がありました。
それを察知し真っ先に手を打ったのが麻生内閣でした。IMF に 1000億ドル緊急融資を行う事を発表しました。あの決断が、極めて有効であった事は、世界の識者が評価しているところです。四次にわたる経済対策は明確に景気の底打ちに貢献しておりますし、調査によれば国内経済は (2009年) 3月で底打ちを致しました。
また、累次にわたる経済対策は民主党の的外れな批判をよそに、理論的な整合性も備えています。つまり、まず資金繰りの手当てをし、続いて仕事繰りの手当てをする、更にその仕事の発注を通じて国際競争力の強化や経済の持続的発展に寄与する。
唯一、民主党の指摘で考えさせられるのはメディアコンテンツ振興施策です。お台場にぽつんと 5階建てのビルを建てて上をセル画の展示場に、下を貸しホールにするというような案であるとするならば、民主党の指摘どおりだと思います。
むしろ、コンテンツの世界のメッカ「秋葉原」を街ごとバージョンアップ・ブラッシュアップする事に資するような施策であれば満点だと思います。この点では、私と麻生総理の考え方はまったく一致しています。映画の都ハリウッドのように、コンテンツのメッカ秋葉原を完成させていけば良い話です。
民主党鳩山代表はコンテンツを子供のおもちゃとでも思っておられるのか、ほとんど造詣がないようですが、世界の子供も大人も憧れる文化であり、外交力であり、そして何よりも何十兆円を生み出す経済力なのです。
コンテンツ促進法・映画盗撮防止法を議員立法で作り、知財国家戦略を構築した『チーム甘利』だからこそ言える事です。