国会リポート 第154号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

総 覧

国家公務員制度改革の象徴的存在となる内閣人事局の設置法案が、三度目の審議でようやく自民党の合同部会で了承されました。

当初、人事・組織管理機能に加え行革機能や電子政府推進機能まで内閣官房で担う案になり、その結果、呼称も内閣人事局から内閣人事・行政管理局へと肥大化したものになってしまいました。

それが、当初案通り名称も組織もスリム化された事は本来の私の主張に沿ったもので、結果オーライとなりましたが、問題は内閣人事局長の位置付けでありました。

党からは、内閣官房副長官と同クラスで 4人目の副長官たる人事局長にせよという主張でありました。一方、麻生総理は最初から 4人目の高級官僚を置くべきではない、現在の 3人は政務の副長官が 2人、事務の副長官が 1人であるが、この比率を 1:2 にしようと全員を事務の副長官にしようとそのフォーメーションは時の総理に任されているんだから、今の体制を既得権として考えて次から次へポストを増やすべきではない、という極めて強い要請でした。どうしても事務量が間に合わないとなったら、その時の総理が内閣法を改正すれば済む事だ、という理にかなった主張でありました。

600人の幹部人事を既存の官房副長官の兼務で出来るのかという議論はありましたが、そもそも内閣人事局は 200人から 250人で新たに構成される人事・組織管理部門ですので、その組織全体が 600人の幹部人事に関わるわけで、1人で 600人の人事を扱うわけではありません。いささか理屈とメンツが先行した議論になってしまったような気がしました。

色々な指摘はともかく、総裁たる総理が決断された事である以上それに従おうという事になり、将来の官房副長官級の増員の可能性も党から言及するという事で了承されました。

事が決まるとすぐ官僚主導と書きたがるマスコミですが、少なくとも今回の決定は麻生総理の極めて強い意志によるものであり、官僚主導でない事は間違いありません。

麻生総理の思いは『時の政策は総理の指揮の下に策定され、それを受けた時の人事も総理が最終決定者であるはずだ。よって、総理・官房長官のラインの下に人事が行われるべきであり、ラインの外側に人事局長を設置する事は本来あり得ない。専任の副長官とするか、兼任の副長官とするかは、時の総理が判断すれば良い事であり、3人の副長官のフォーメーションは、その総理が考えるべき事で、すぐに増員とは安易過ぎる。』一貫してこういう主張でした。

いまだ人事院は、組織防衛や権限保持に窮々としていますが、政治的中立を朝から晩まで振りかざすその人事院が、与野党の政治家や労働組合、そしてマスコミへの根回しに院を挙げて奔走している姿は、滑稽としか映りません。

『時代の変化に応じて課題は変わり、課題の変化に応じて組織・人員を府省を超えて再配置する。』

100年来の改革の意味を噛み締めてほしいものです。

 

今週の出来事「難攻不落!美人アンドロイド

 

先日、第8回日本ファッションウィークにゲストとして招待されました。この催しは、東京をパリやミラノに匹敵するファッションの発信地として育てて行く事を目的にスタートし、私が経済産業大臣の時に自らモデルも務めテコ入れしていった催しで、その功労者として招待を受けたものです。

コシノジュンコさんのショーモデルを務めた時には「今後、私の事はスーパーモデルと呼んでもらいたい!」と回りに要請していましたが、程なく百貨店業界主催の三越でのファッションショーのモデルも務めましたのでスーパーモデルからデパートモデルへと格上げ (格下げ?) になりました。

さて、今回の会場の入り口に、最新の女性ロボットが今風のファッションで展示されていました。何が最新かと言えば、感情の変化による顔の表情が若い女性のそれとそっくりに反応するからです。

色々な質問に表情豊かに答えてくれますが、テレビのインタビュアーが「こういう顔立ちの女性は大臣のタイプですか?」と聞くもんですから、撮っていた男性カメラマンに「貴方のタイプ?」と尋ねると首を立てにふったので、ロボットに向かって「この人 (カメラマン) が、貴女をタイプだってさ!」と話しかけたところ、ロボットが露骨に嫌な表情になりました。

ロボットにまでフラレたら、未来社会の男はどうやって生きて行くんでしょうね (苦笑)