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「政界は、一寸先は闇」
この言葉を象徴するような小沢一郎民主党代表の公設第一秘書の逮捕劇でした。
政治献金を企業から受け取る際には政治資金規制法にのっとったルールがあります。企業からの政治献金は政党支部のみがその受け皿となりますし、個人の資金管理団体は個人献金か他の政治団体からの寄付しかその受け皿とはなれません。もちろん、政党支部、資金管理団体とも政治資金パーティを開催する事は何ら制約をされておりません。問題は、企業からの献金を政治団体からの献金と偽装して個人の資金管理団体が受け取る、という事が事件になっているわけです。
「政治団体から資金管理団体が政治資金を受け取る事は何ら政治資金規正法に抵触する行為ではない。」
小沢代表のこの発言はその通りではありますが、その政治団体が事実上企業献金を資金管理団体で受け取る事ができるようにするための偽装である場合には話は変わってきます。まして、その偽装に小沢代表側が主体的に関与していたという事になれば別次元の話になってしまうわけです。
これらの件に関し、自民党に波及する事はないかのような観測発言が軽率にも政府高官からなされ、それをもってこの捜査は国策捜査だという発言が民主党関係者から頻繁に発せられました。国策捜査が政権側の意向を踏まえた捜査という事を意味するのであればそれは大問題でありますが、そんな事ができようはずはありません。
検察庁は政権からは完全に独立した機関でありますし、法務大臣には特定の者を対象とさせる権限などありません。唯一捜査を止める方の指揮権発動なる権限がある事は事実ですが、そんなものを発動しようものなら即刻政権が転覆する事態になる程日本は成熟した民主国家でありますし、事実上無いに等しい権限です。
与野党議員は、捜査の行方を厳粛に見守るというのがあるべき姿だと思います。
さて、ようやくテレビのワイドショーでも麻生政権の景気対策を評価する発言が出てきました。二十年度一次・二次補正、二十一年度予算と三段ロケットで総事業規模 75兆円の経済対策をうっていますが、新年度予算成立後、景気状況を精査し、必要と判断されれば更なる対策も当然検討されると思います。新年度予算が審議中の現在、新年度補正に言及する事は予算修正の必要性を示唆するようなものですから、今はひたすら年度内成立に向けて取り組むべきであります。
「次なる競争力は不況の時に生まれる。」先人の名言ですが、世界中が金融・経済危機にもがき苦しんでいる今こそ、景気が立ち上がった時の競争力の差をどこに求めるかという視点が極めて重要です。私の考え方については、次号でも詳しく述べたいと思っていますが、要は日本にあって他には無いアドバンテージとなり得る物は何かを、しっかりと見つめる事が大切です。
危機の危はリスクであると同時に危機の機はチャンスの意味でもあるのです。