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「内閣改造は総理大臣の専権事項であり一閣僚が言及すべき事ではありませんが、その上であえて一与党議員としてどう考えるのか問われるなら、予算成立後に与謝野大臣の兼務を解く『与謝野ミニ改造』を大規模改造とする事は選択肢としてはあり得ると思います。」という私の発言が波紋を広げました。現職閣僚が改造に言及するのは異例の事であるとマスコミも大々的に報道しました。
過去に例がない訳ではないのにこれだけの騒ぎになるのは、よっぽどニュースがないのか私が麻生総理の盟友グループ NASA の会の一員であるからなのでしょう。
決して思いつきで発言した訳ではなく、計算した上で慎重に言葉を選びました。その真意は、一つには党内に緊張感を与える事、もう一つには麻生総理および麻生内閣のメッセージが伝わりやすい環境を作る事です。
党内には「閣僚がこの種の発言をするのは緊張感を欠いている」と的外れな発言がありますが、むしろ今が日本にとって大事だからこそ党内結束すべしと、麻生降ろしを牽制した発言なのです。加えて麻生内閣は平成20年度一次補正・二次補正・平成21年度予算と矢継ぎ早に金融・経済危機対策を打っているにもかかわらず、定額給付金がすべててであるかのような誤解を与え、あえて憎悪を掻き立てるような報道しかなされていない事に対する憤りからです。
野党は、定額給付金を全面否定していながら定額減税と納税限度未満者に対するそれに見合った給付を組み合わせた定額給付に酷似した制度を唱えています。理屈の世界でしか違いの分からぬ制度を唱えながら与党の制度をこれほどに否定している姿勢は、ワイドショーに乗じた選挙対策としか映りません。
一連の政府の対策が実現すれば、中小企業への保障貸し出し枠が 30兆円確保されますし、学校の耐震化は促進されますし、企業の休業者は給与の 5分の4 (大企業は 3分の2) は雇用保険でカバーされますし、妊婦検診の無料化は 5回だったものが 14回に拡大されますし、出産助成費は 38万円から 42万円に拡大し、しかも医療機関に直接支払われますから立替払いをする必要はなくなります。住宅のローン減税は最大 600万円まで広がりますし、太陽光パネルの設置やバリアフリー化を進める際には手持ちの資金で行っても所得減税になります。ハイブリッド自動車を購入すれば 15万円減税されますし、地方交付税交付金も大幅に引き上げられます。
定額給付金は対策事業規模 75兆円のうちの 2兆円に過ぎない一政策であるにもかかわらず、マスコミ報道は明らかにバイアスのかかったものであります。
私の内閣改造論は、いったん意識をリセットする必要性を訴えている訳です。麻生内閣は良い事をたくさんやっているにもかかわらず、いったん色眼鏡で見られてしまうとすべてにバイアスがかかって正確なメッセージが届かない。色眼鏡を外して素直な眼でこの内閣をもう一度評価してもらいたい、そういう想いからです。
内閣傘下のそれぞれの閣僚も個々の仕事振りで見れば、歴代内閣に決して劣後する事なく立派にその責務を果たしているはずです。一度色を付けてしまうと聞く耳を持たない、そんな状況を何とか打破していきたいという想いからの行動であります。
それにしても、郵政に対する総理の舌足らず発言、それに対する小泉元総理の過剰な反応、そして中川酩酊事件、不測の事態 3連チャンがなければ今頃支持率は 30% を超えていたはずなんですが…。