国会リポート 第117号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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12 日昼過ぎ、安倍総理が突然の辞意を表明しました。

心身ともに疲れ切っていたところへ、党首会談の不成立で 『もはや、これまで』 と思われたようです。事情通によれば、民主党小沢代表との党首会談で、自分の辞任を条件にテロ対策特別措置法 (テロリストの移動を阻止するための各国哨戒艦に対するインド洋沖での給油活動等) の延長に向けての協議を提案するつもりではなかったのか、と推測されています。

9 月 7 日に APEC の会合でオーストラリア・シドニーのホテルで総理を出迎え、部屋にて大臣会合の結果を報告しましたが、その時にはお疲れの様ではありましたが、色々と質問をされ意欲的でありました。翌朝の日・米・豪首脳会談に立ち会った町村外務大臣の話を空港待合室で聞いている限り 「極めて素晴らしい安倍総理の対応であり、そのパフォーマンスはまさに真骨頂だった」 という話でした。

週明けの閣議で総理のお疲れがひどいようなので、菅義偉代議士に電話を入れ 「総理が心身ともにひどくお疲れのようなので、菅ちゃん悪いけど気心を許したあなたが激励に行ってくれないか」 「実は別の人からも同じ相談を受けているので、明日行く事にしています」 との事でした。

閣内にいて 『これほどマスコミ総がかりで、イジメとも言えるバッシングにあっている総理も過去に例がないのではないか。安倍総理のどこが、そんなに悪いのか。いくら何でもやり過ぎではないか』 と思う事が度々ありました。怖いもの知らずの、あの小泉総理ですら在任中に一緒に食事をすると 「いやぁ、夜眠れないんだよな」 と、こぼしていましたから、頂点に立つ事のストレスたるや想像を絶するものなのでしょう。

安倍総理の推進してきた政策は後世、必ず評価されると思います。その安倍総理と思いを同じうした候補者が麻生太郎氏であります。入院中の安倍総理に 『総理が取り組んできたこの一年は決して無駄ではありませんでしたよ。』 というメッセージを込めて、麻生氏を応援したいと思います。

『毒を食らわば皿まで』 ではありませんが、やる以上は要請されたら推薦人も引き受ける覚悟をしていました。やる前から 『福田氏圧勝』 の報が伝えられているこの総裁選挙は辛いものがありますが、こういう状況下にもかかわらず果断に挑戦をしていく麻生氏の姿に、男気を感ずるのは私だけではないと思います。正々堂々と選挙戦を闘い、終われば新総裁を挙党一致で支えていく、自民党の良き伝統は失われていないと思いますが、戦の常で負けた方は悲哀を感ずるのは覚悟しなければなりません。

まぁ、長い人生色々な事があっていいと思います。

 

今週の出来事「偉大なる第2位!?

 

麻生太郎氏の決起大会に出席したところ、挨拶を要請されました。

意を決して出席した理由は、一つにはお互い今日まで安倍総理と思いを共有してきた事、二つ目は党員の意向調査の結果、麻生氏がダントツであった事、三つ目は圧倒的不利の中でも敢然として立ち上がった心意気を評価した、という事であります。

党の存亡をかけた此度の総裁選は地元の党員の意向も今までより以上に尊重しなければならないと思い、13 日の木曜日に半日かけて選挙区内の党員の約 5 分の 1 にあたる 400 人にアンケートをとりました。

『次の総理大臣に最も適していると思われる方を一人挙げて下さい』

その結果は、1位・麻生太郎 (27.5%)、2位・甘利明 (14.4%)、3位・小泉純一郎 (11.2%)、4位・福田康夫 (7.3%)、5位・町村信孝 (1.7%)、6位・谷垣禎一 (0.8%)、「その他の候補」 及び 「分からない」 (36.6%) でありました。

私が候補者になっていないにもかかわらず 2位になったのを評価すべきか、私の選挙区であるにもかかわらず 1位でないのを反省すべきか…。

どっちなんでしょうかねぇ?