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大変ご無沙汰をしております。選挙期間中は公職選挙法の規定もあり、ホームページの更新は制約がありますので久々のレポートとなります。
参議院選告示の日に横浜・川崎と遊説をした後、夕刻には四国の香川県に入り、北海道から九州まで連日、同志の応援に追われました。その間、中越沖地震があり、急遽徳島での会合をキャンセルし、現地に飛ぶという事もあり、結局地元選挙区には半日足らずしか入れませんでした。
今回の選挙は、長い政治生活の中で初めて経験する、静かな恐怖感が迫り来るというものでした。大逆風の選挙とはいえ、台風の突風が吹くというような感じではなく、津波で言えば何十メーターの波が一挙に襲ってくるというより、毎日毎日少しずつ水位が上がって、息苦しさが日を追って増してくるというような、ぬめり感のある恐怖感でした。
スタート十ヶ月に限定すれば、安倍内閣は一番実績を挙げている内閣だと思います。教育の荒廃に初めて大ナタを振るった内閣であり、憲法の国民投票法にしても、国民に憲法改正の権利はありながら具体的手続き法が決められていなかった、いわば欠陥を初めて是正するものでありましたし、財政再建と経済成長の同時達成の道筋も初めてつけました。子や孫にこれ以上の借金を残す訳にはいきませんから、できるだけ予算を節約し借金の返済に回します。
しかし一方で、景気対策には予算をつけなければならないという二律背反に対して、量を少なく質を高く、つまり、『予算の燃費効率を上げる』 という手法をとった訳です。また、小泉内閣からの積み残し案件であったアジア外交と格差の是正についても、直ちに行動を起こし、処方箋も書き上げました。地域間格差や大企業と中小企業の格差を是正するために交付税のあり方の検討も始められました。
私の範疇で言えば、六省体制による新企業立地法や地域資源を活用して企業興し・地域興しをする仕組み、そして、ポテンシャルがありながら過去債務でしこっている、地域中小企業の再生に向けた地域中小企業再生協議会のバージョンアップ並びにこれと連動させるための地域ファンド二千億円の資金枠確保 (通称甘利ファンド)、さらには朝日新聞や毎日新聞まで絶賛した資源外交等々、全国各地で講演するたびに高い評価と期待を頂きました。
政策情報を届けられた所には評価を頂きながら、しかし自民党は大敗を致しました。国民の声を真摯に受け止めるためにも、何が正しくて何が間違っていたのかを沈着冷静に分析し、今後に生かす必要性を今更ながらに痛感致します。
与党の辛さとは、国民にとって耳あたりの良い事ばかり言う事ができないということと、個々の政策に対する財源の明確な裏づけと全体に対する財政の整合性もきちんと説明しなければならないということです。どこかの政党のように軍事費を減らせば全部まかなえるとか、行政改革を行えば全部まかなえるというような漠とした説明ではつとまらない所に辛さと責任感があります。