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年金問題で、国会は大揺れです。本当は政策によって選択肢があるような問題と違って、政権の如何にかかわらず未来永劫、安定的に継続させていくべきこの種の問題は政争の具にすべきではなく、スピード感を持って解決していくことが望まれるはずですが、選挙を目前に控えていると野党もおいそれとは応じない様です。
個々の年金データを、基礎年金番号を導入し、手書きの資料から電子化・コンピューター化していく際の年金記録の統合問題に、いまだ未処理分があるというのがそもそもの原因です。
平成 8 年、参議院本会議で当時野党だった公明党の山本保彦議員が 「基礎年金番号導入の諸課題について、国民の間に心配する声があるが大丈夫か?」 と当時の厚生大臣であった菅直人氏にただしたところ、「徹底した対策を講じ、万全を期して行います。」 との答弁記録が残っております。何故十年も経つのにその作業が終了していないのか、と不思議に思われますが、後々、社会保険庁労働組合が管理者側と交わした 『労働慣行文書』 が次々に発覚するや、現場の職員モラルが救いようもないほど低下していた事が暴露されました。
これらの資料を見ていると、かつて 『いかに働かないようにするか』 という取り決めを管理者側に結ばせていた、トップを変えるぐらいではどうにもならない状態に陥っていたあの国鉄改革を思い起こさせます。国鉄を民営化した最大の狙いは人事権がきちんと機能する、つまり働く意思のないものは最悪の場合は解雇できるという民間ルールを導入する事でした。今回、公務員型でない非公務員型とするのも、きちんと機能する組織にするために必要なことだと思います。
時効で受け取れない年金部分が発生する受給者に対して、立法措置で時効を停止させ受け取れるようにすることは、受給者の不安を払拭させる当然の行為だと思いますが、民主党をはじめ野党が反対している意味が良く分かりません。
「もらえなくなるのをもらえる様にする時効の停止はすぐにでもやってもらいたい。」
みのもんた氏の発言はその通りだと思います。