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ようやく、WTO 非公式閣僚会議が開催されました。
就任以来、各国閣僚や WTO ラミー事務局長と電話会談やバイ会談 (二カ国協議) を重ね、昨年 7 月で止まってしまった WTO ドーハラウンド交渉を、事務レベルからなし崩し的にでも再開させるべきだ、と言い続けてきました。
昨年 11 月の APEC 閣僚会議で、首脳間で再開の支持をすべきだと私から提案し、首脳会議での各国の賛同を安倍総理から取り付けて以来、EU やアフリカ連合からも同様な発言が続き、ようやくラミー事務局長が決断したところでした。
この会議には、日本と EU だけ経産大臣と農水大臣の複数閣僚が出席しました (アメリカも農務長官と二人が出る予定でしたが、都合がつきませんでした)。冒頭、ある大臣から WTO の議論を前進させよう、という趣旨で、ピンに刺されたゴキブリ (足をバタバタさせているだけで何一つ前へ進まない) のようになってはならない、と比喩を交えた発言をしてスタートした会議でしたが、続く大臣も、ゴキブリに言及したもんだから、みんなゴキブリの話を入れながらの議論になりました。
私からは 「各国の前向きな議論を聞いていると、ゴキブリに刺さったピンも少しずつ抜けつつあるような気がする。ゴキブリは生命力が強いからピンさえ抜ければまた元気に前に進み出すと思う…」 と議論を始めました。
私からはつぎの提案をいたしました。
- WTO 交渉がフルで再開した事を外に向かって発信する事。
- 農業や NAMA (農産品以外の工業製品等) だけでなく、サービス貿易や貿易ルール、そして開発 (途上国に対する対応) 等、全てのバランスをとった交渉をする事。
- 各国の政治日程からすれば (年が明ければアメリカは大統領選一色になってしまう)、年内にまとめるという最終合意の期限を切る事。
(3) については、期限を切ると期限内にできなかった場合に立ち直れない打撃になってしまうとの懸念が一部から出され、結局日本提案の (1) と (2) を合意されました。
25 カ国が発言するとあって一国 3 分以内と議長が制約したものですから、「私のあと、松岡農水大臣が発言をします。これは 3 分の枠に入れないで下さい。ただし、追加料金は払いますよ。」 と締めくくり、松岡農水大臣にバトンタッチしました。
ラミー事務局長の提案で、今後は主張の差のある二国間協議を重ね、距離をつめてから、またマルチの会合を開こう、という事になりました。
私と松岡大臣が並んで取材を受けていたところにラミー事務局長がわざわざ 「私も入るよ。」 と言って、我々の間に入ってきてくれました。異例な事ですが、彼の配慮に感謝します。
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