国会リポート 第98号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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いまや、自民党内は各派閥がなだれをうって安倍支持を表明し、安倍晋三氏の圧倒的有利が確定したかのようであります。

そうなるきっかけとなったのが、いわゆる 「シニア会」 の結成です。若手の再チャレンジ議連が結成されてほどなく、尾身幸次代議士から相談がありました。「どうも安倍さんの支援が若手から拡がらない。若手だけが支援している候補者となると脆弱なイメージを与えてしまう。ベテラン組で、特に経済政策に強いメンバーが支えているという印象を与える事ができれば安定感もアピールできる。甘利さんや柳沢 (伯夫) さんがいてくれると随分安定感が出るのだが。」 との事でした。私自身は春先から派内の若手を安倍支持ですでに取りまとめつつありましたので、この提案にはまったく異議はありませんでした。

以降 2、3 度会合を重ねメンバーを増やしつつ、結成をいつ行うかという事になりました。どうしてもお盆休みに入る前に行いたかったものですから、末広がりのゲンを担いで八月八日と致しました。さらにその結成を、どういう形で情報発信をしていくかという事で意見が分かれました。当日会場にカメラを入れ堂々と発表すべきという意見と、覚悟の度合いに温度差があるかもしれないので会合後にリリースした方がよいというものでした。慎重を期して後者に致しましたが何の事はない、鼻の利くマスコミは入り口でカメラを構えて待っておりました。

嬉しい誤算は、集まった 10 人全員がしっかりとした覚悟を持って集まって来たという事でした。『派閥横断のベテランの会も安倍氏支持』 と一斉に報じられた途端 「これで決まりだな」 との雰囲気が党内に流れ、我先にと堰 (せき) を切ったように各派の安倍支持表明へと繋がりました。

一方、不満がくすぶるのは安倍支援の口火を切った若手集団 『再チャレンジ支援議員連盟 』 です。そんなところから、「安倍選対二本立てか?!」 とか、「安倍選対に不協和音?!」 という報道が新聞・テレビから発せられました。しかし、これも杞憂に終わり、中堅若手とベテラン組が融合した選対が発足する事になりました。

この間、再チャレンジ議連の菅義偉代議士や山本有二代議士には種々骨折りを頂きました。ベテラン・若手を通じて共通している考えは、安倍選対本部はいかにも派閥連合と見られるような長老の名を顧問に連ねるような事は避け、超派閥で安倍さんらしい清新さと信頼性を出そうという事でした。本部長に柳沢伯夫氏、本部長代理に町村信孝氏、副本部長に尾身幸次氏や再チャレンジ議連を代表して菅義偉氏等が就任する事になりました。再チャレンジ議連との連絡役も務めてきた私は事務局長に推挙されました。次長には若手からも多数就任してもらう予定です。

 

今週の出来事「劇団ひとり、よがり?!

 

今日 (8月27日)は、私の57歳の誕生日。青年代議士もあと三年で還暦か、と思うと切なくなります。

アメリカで大ヒットした誕生日辞典が日本でも好調な売れ行きで私も購入しましたが、そこにはうるう日も含めた366日の誕生日の運勢が事細かに記述されていました。どちらかというと全ての日がポジティブな面が強調されていますが、8月27日は殊更素晴らしい記述で溢れています。『生まれながらにしてリーダー・・・、カリスマ性を持った人物・・・』 等々。

気分の良くなったところで中学三年の娘に 「今日はパパの誕生日だから皆で外でご飯でも食べようか」 とメールをうちましたら、「試験前だからダメ。終わったら付き合ってあげる。」 とつれない返事。

しょうがないから秘書と映画を観に行く事にしました。何を観るかって?決まってるでしょ!もちろん 『スーパーマン リターンズ』 ですよ。

「ビコーズ・アイ・アム・ア・スーパースター・カリスマ」

「一人で言ってろ!!」