国会リポート 第97号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

総 覧

週刊誌は、相手に取材せず又聞きや憶測で記事を書くことがしばしばありますが、読者のほうも噂話として面白おかしく読んで終わりということもあり、政治家のほうも間違った報道にあえて抗議せず放っておくことが日常です。

先般、某週刊誌に 『山崎派分裂、甘利はクーデターを起こし乗っ取る』 などという刺激的な記事が載っておりました。どうやら森前総理の 「山崎派の最高幹部は、山崎氏のクビを取ってでも総裁選出馬を阻止する、と言っている。」 との新聞記事を引用したようです。

私の発言でない事は明らかです。そもそも私にそんな権限はありませんし、派の最高幹部でもありません。馬鹿馬鹿しいので抗議すらしていません。山崎先生は 「成算のない戦いはしない」 と若手の前で言明されていますし、私も次に繋がらない戦いはすべきではないという点で考えを一にしておりますので、最終的には一致すると思います。

国民や党員が誰をリーダーとして求めているのか、ということは十分条件でないにせよ必要条件ではあると思います。ようは、国民の求めるリーダーにどう適切な注文を付け、どう適切に支えていくか、であろうと思います。

支持率が 50% 近い安倍晋三氏は、私が三年間筆頭副幹事長を務めたのち予算委員長に就任する際、「三年間総理を支え続けた甘利さんをおいて誰をさせるんですか」 と官邸に乗り込んだくらいですから、きっと支え甲斐のあるリーダーになると確信しています。

個人的に言えば山崎氏も魅力的な存在ですので、判断さえ誤らなければいずれ出番もやってくると思います。『トップリーダーは孤独だ』 とは小泉総理の口癖ですが、それは最後の判断は自分自身しなければならない、誰にも頼る事はできない、そしてその際には私情を追い出さなければならないが故にいっそう孤独な存在になる。まさにトップリーダーの宿命と向かい合えば合うほど、孤独を実感するのであろうと思います。

小泉総理はアメリカ大統領専用機 『エアフォースワン』に乗った初めての日本人総理です。ブッシュ大統領が奥の院まで招いたということはうわべの親密関係ではないということが明らかです。総理の英語は、発音は決して上手くはないけれども極めて勘所を捉えた非常に面白い演説である、と定評のようです。

新総理がアメリカのみならず外国の首脳の心をどう掴むか、大いに期待したいところです。

 

今週の出来事「告訴取り下げ?

 

月曜日から金曜日までは東京で仕事し、土・日は地元を回るという活動パターンは、国会閉会中も原則的には続いています。

いきおい、土・日は地元事務所が目一杯日程を入れて私をコキ使います。先週の土曜日は夜の盆踊りだけで 15 ヶ所を回るという離れ業を演じました。会場に着くなりマイクを握り、挨拶を終わるや直ちに車に乗り込む。それでも 9 時半を過ぎると散会をしていた会場もあり、1 ヶ所行き損なってしまいました。

今週の土曜日 (8 月 5 日) は午前中から、な、なんと!26 ヶ所回る日程を渡されました。移動時間も考えると挨拶も含めて滞在時間は 4 分ぐらいになります。何と人権を無視した非情な日程!代議士が秘書を労働基準法違反で訴える事ができるのかどうか、誰か教えてください!

でも、考えてみれば会場に着くなり主催者が私を紹介し挨拶の時間をとって頂けるのも努力の賜物。昔は呼ばれもしないのに押しかけ、挨拶もさせてもらえず来場者の所をお辞儀して回ったという時代が懐かしく思い起こされます。

恥も外聞もなく、というのが政治家にとって選挙が強くなる必要条件でありますし、この間の秘書連中の努力も勘案すれば訴えは取り下げてもいいか。