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通常国会の会期も残り一週間となり、以下の何本かの重要法案が継続審議となりそうです。
まず、防衛庁を防衛省へと昇格させる法案は、国防に関する主任大臣を総理大臣から防衛庁長官に降ろすというもので、本来業務の円滑な推進には欠かせない法案です。
また教育基本法は、ともすれば個人の尊厳や自律が強調されてしまうところを、個人のよってたつ基盤である社会・公共へ関与・貢献し、家族や郷土・伝統や文化、そしてそれらの包括した存在としてのわが国を愛する心をもち、他国を尊重する態度を養う等々の抜本改正です。
共謀罪は、テロや麻薬犯罪等、組織犯罪を未然に防止するための国際条約を批准するために国連から要求される法律であり、すでに世界 119 カ国で整備済みであります。しかも日本より、より厳しい刑法として整備済みであり、日本だけ未整備だとテロや麻薬犯罪の段取りはよその国で行えば捕まり、日本でやればお咎めなし、という事態になりかねません。
そして四つ目は、憲法改正の手続きを決める国民投票法で、成立しない限り日本国憲法は改正規定はあってもその手続きをとる事ができない欠陥憲法のまま置かれるという事になります。
以上のような重要法案は秋の臨時国会まわしという事になります。
ところで、今国会最大法案と言われた憲法改正国民投票法の代表質問者に私が指名され、久々に本会議で登壇を致しました。過去に本会議では何度も登壇していますが、よく調べてみたら代表質問で登壇するのは初めてでした。大法案ゆえに当初は中川秀直政調会長という事になっていましたが、政調会長の推薦で私がという事になりました。
当日は 6 月 1 日でクールビズのスタートの日でありました。本会議場ではネクタイだけは着けるのが決まりになっていますが、さてスーツで登壇しようかクールビズジャケットで登壇しようか迷った末にクールビズスタイルで壇上に上がりました。同期の仲間達からは、世紀の大法案なので正装して登壇しろと散々冷やかされましたが、結果はマスコミを含めて好評でした。
さて、目下自民党政調会長代理として最も悩ましい事は、財政再建のための歳出カットを党内でどのように理解してもらうかということです。
無駄や非効率な支出を見直す事は総論では全員賛成ですが、個々の分野に立ち入って行った途端、よそはともかく自分のエリアだけは触らせない、という関係者が続出してきます。かと言って、放っておけばいずれ財政破綻を引き起こす事は目に見えていますし、全部増税で賄うという事にでもなれば消費税は青天井になります。
できるだけ支出をスリムにしたうえで足りない分を増税という形にしないと財政再建は成功しません。今こそ国民と議会の真価が問われています。