総 覧
捏造メール事件で、この二週間国会は振り回されました。
民主党の永田寿康議員は懲罰動議の常習犯で今回が五回目でありますが、国会が下した決定を自身まったく重く受け止めておらず 「男の勲章だ」 程度に軽んじている事自体、国会の権威を貶めているという事に気づいていません。質問に立つ時には 「国権の最高機関たる国会の権威に恥じぬよう質問をしていきますので政府もそのつもりでご答弁下さい。」 などと言っておきながら自分自身が一番その権威を貶めているという矛盾に気がつかない人達が、結構民主党には居ります。優秀で人間的にも尊敬できる人物がたくさん居るのに惜しい話です。何よりも、公党である政党をまるでクラブ活動やサークル活動の様な認識で運営しているという事が、問題の根幹であります。
問題のメールは、札付きの元週刊誌記者が捏造物と知りながら (発信人も受信人も同一人物であり、それが発覚しないようにわざわざ塗りつぶして渡した訳ですから) 永田議員に売り込んだ物です。マスコミ各社に売り込んで行ったのですが相手にされず、かねてから親交のある永田議員に持ち込み永田議員が飛びついたという事のようです。相談を受けた民主党野田国対委員長と前原代表はロクな検証もせず、予算委員会という公の場で民間人の実名をあげて質問する事を許してしまったという大失態を演じました。
最も深刻な事は、公の場で、捏造された証拠に基づき実名をあげて、民間人を犯罪に加担した被疑者であるかのごとく仕立てあげたこと、それをマスコミがトップニュースで報道したこと、さらに民主党側はその挙証責任を民間人側に負わせ、さもなければ国政調査権で丸裸にすると迫った行為であり、正に狂気の沙汰と言えましょう。
武部幹事長の次男は国会によって被疑者としてでっち上げられ人権を侵害され、かつ経営している中小企業は危機に瀕してしまった訳です。
永田寿康議員ならびに民主党はメールも三千万円の送金もすべて嘘だったと公式に謝罪をしましたが、民間人たる武部幹事長の次男の原状回復は何らなされておりません。永田議員の処分は、懲罰委員会 (何と私が理事をしております) に委ねられますが、本来なら出処進退は永田議員自身が決断すべき事です。二度とこの様な事件が起きぬよう国会の権威にかけて対処しなければなりません。