国会リポート 第105号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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いよいよ年末です。毎年、過ぎ去る一年に加速度が付いているように感じますのは、それだけ私が年をとってきた証拠なんですかね。経済産業大臣に就任して三ヶ月が経ちましたが、かつての労働大臣就任の一年分に相当するような濃密さでありました。

私が大臣に就任して以来、本格的に動かし始めた政策を事務方が整理しましたら、何と 20 項目になりました。格差是正に資する地域と中小企業の活性化のための三つの政策 (うち二つは 6 省庁局長級協議会を発足させました)、日本の経済成長の要となる生産性向上のための新 IT 戦略 (IC タグの本格導入とそのハード・ソフトの標準化を通じ、省コスト・効率経営のみならず、製品安全・製品リサイクル、そして関連サービス産業との連携まで含めた業種横断シームレス化)、さらには製造業で培った生産性向上を、遅れをとるサービス産業にどう可視化して導入していくか、さらには知的財産戦略に加え兼ねてから主張してきた国際標準化戦略 (日本が主体的に国際標準を作っていく)、加えて日本の匠の技・日本人の感性を知的財産として位置づける感性価値イニシアティブ、さらにはエネルギー新戦略等々。

また経済界側からも甘利大臣が就任した以上、コンテンツ戦略もさらに前向きに進めるべきだとの意欲表明のもとに、コンテンツ戦略の有識者会議を発足させました。ハリウッドで活躍している日本人映画プロデューサー、コミック誌の編集長、映画関係者、音楽関係者等々、一風変わった人達も含め、ユニークな会もスタートできました。

また、二つの冠政策もスタートいたしました。特許甘利イニシアティブと中小企業甘利ファンドです。前者は特許取得を、信頼性を担保しつつ飛躍的にそのスピードを上げ、各国の特許政策ともハーモナイズしていく戦略であり、後者は地域中小企業振興のための 2 千億円の基金の創設です。

次から次へと事務方に指示を飛ばすものですから経済産業省は創設以来のフル回転、猛烈な忙しさに悲鳴をあげながらも、かつてないモチベーションに役所中が包まれています。大臣室にて課長級懇談会と課長補佐級懇談会を開いておりますが、政策の発信源たる彼らとの直接対話は、『今こそ経済産業省ここにあり』 との気概を示そうとの意欲に繋がっているようです。

そんなこんなで気が付いたら 10 分おきに日程が入る始末、最近は昼飯の時間まで侵食されてしまうようになりました。まぁ、自業自得ですが、こういうことなら大いに歓迎です。勤務中に倒れるなら大臣冥利に尽きます。

 

今週の出来事「終わりよければすべてよし

 

大好きな NHK 大河ドラマ 『巧妙が辻』 が終わってしまいました。宿舎に帰って収録したものを観る、という毎週の楽しみが一つ減ってしまいました。

正月明けからは武田信玄の家臣山本勘介をテーマにした 『風林火山』 が始まります。ご存知の通り、甘利家は武田信玄の重臣でした。そこで早速山梨テレビが私のところに取材にやってきました。

昔、武田信玄の大河ドラマを NHK が放映した時には、ご先祖甘利虎泰役は本郷功次郎さんが演じていました。今度は誰がやるのか分かりませんが、前回同様なるべく見映えの良い役者にしてもらいたいと思います。

ところで、嬉しい出来事は 『巧妙が辻』 の脚本家大石静さんと会食をすることができた事です。きわめて気さくで楽しい女性でした。 ご自身が考えていたキャスティングと NHK 側のそれとはかなり異なっていたようで、最初信長は豊川悦司をイメージしたと聞いた時ふと、もう一作オール大石静キャスティングの巧妙が辻を作って二部作としたら面白かったろうに、と思いました。