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10 月 14 日 (金) に郵政民営化法案は参議院で可決され成立となりました。前島密が現在の郵便制度を構築して以来、133 年ぶりの大改革がいよいよスタート致します。
官でやるべきか民でやるべきかの線引きは、民では不可能でなおかつ誰かがやらなければならないという事業のみ官で引き受けるという棲み分けです。郵政三事業 (郵便・貯金・保険) は一つ一つをとればすでに民間で同様の事業は行われている訳ですから、民営化に馴染む分野です。加えて、業績を伸ばそうと官業のまま新商品開発や新事業分野に取り組もうとすると、民業圧迫のそしりを免れませんから、自由裁量権を与えるためには民営化を選択するしかありません。
二ヶ月前には参議院で反対が賛成を 17 票上回りましたが、今回は逆に賛成が反対を 34 票上回った訳ですから、まさに隔世の感があります。反対派の大多数はいとも簡単に賛成に変わりましたが、それではあの騒ぎは何だったのかといささか拍子抜けです。今回も反対を貫いた平沼赳夫氏が、妙にしっかりして見えます。党紀委員会は恐らくかつての反対者に離党勧告を行い、応じない場合は除名処分をすると思いますが、参議院は選挙がなかっただけに 「対立候補として公認候補の選挙を妨害しなかった」 という理由で役職停止処分程度になるのではないかと思われます。
今回の選挙結果は小泉改革の推進に大きな弾みを付けました。三位一体改革を中心に、小さくて効率の良い政府の構築、医療制度改革や公務員制度改革、特定財源制度の改革や政府系金融機関の改革、そして大きなテーマとしては憲法改正と、息つく暇もありません。選挙大勝利を受けて、お陰様で反対のための反対をする自民党議員は居なくなりましたが、小泉総理に物申す勇気まで失ってしまっては健全政党ではなくなってしまいます。私は、この 4 年間絶えず小泉政権を支えて来ましたが、だからこそ言いにくい事でも言っていこうと思います。
いよいよ小泉政権最後の一年です。改革の路線がしっかりと敷けるよう私も微力を尽くして参ります。