総 覧
予算案の衆議院通過が 3 月 2 日と決定を致しました。昨年が 3 月 5 日でしたから、かなり迅速なように思えますが、審議入りしたのは去年より一週間以上早かったので、審議時間はここ数年間で最大となりました。総理の出席日数もテーマを絞り込んだ集中審議も最大となりましたので野党のメンツも十分立ったと思います。
やりにくかった事は、与党側からはスムーズで迅速な審議が要求されますが、それをマスコミ流に評価すれば与党の言いなりで野党がだらしがないという紙面になってしまい翌日、野党は抵抗せざるを得なくなります。予算案と同時に本会議処理をしなければならない国税や地方税・地方交付税を担当する委員会が野党の抵抗で空転しましたが、予算委員会がスムーズに行き過ぎたので与党の脇の甘い所を攻め込まれたと言う解説が流布されました。前代未聞の事態でした。審議が紛糾している時にはマスコミが野党を評価し、充実した審議がスムーズに行われると与党ペースという書かれ方は何とかして欲しいものです。テレビの中継が入るとろくでもないアジテーションの質疑をしていた野党議員が、テレビの入らない平穏な状況になると目を見張るような素晴らしいやり取りを展開している状況を見るにつけ、国会らしい政策論争をもっとマスコミには評価してもらいたいと常々思います。
通常国会における最大案件は予算審議でありますが、これが終わるといよいよ注目の (とは言っても国民の注目度は低いようですが) 郵政民営化方案が上程されます。提出は連休前くらいではないか、と憶測されていますが与党内調整はまだひと山ふた山ありそうです。先般、民営化に批判的な議員の会が開かれ、五十数名の出席と報道され緊張感が党内に走りました。郵政事業の民営化により、どの部分に国民の利便性向上が図られるのか具体的説明が今後政府に求められます。