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10 月 18・19 日と 2 日間、衆議院の予算委員会が開かれました。
当初、与党は一日、野党は五日間を主張し折り合いが付かず、最終的に委員長裁定で二日間とし、ただし二日目の午前中も総理を出席させるという事で決着をしました。予算委員会の初日は全ての閣僚が勢ぞろいし、NHK が一日中中継するのが慣例になっています。九時から五時までと時間が決まっておりますし、放映の都合上、五時を過ぎますと、夜中の放送に後回しされてしまいますので、質問者は時間厳守を通常より一層要求されます。
こういう日の委員会運営は見た目よりは楽で、最終時間に質問をする社民党の質問時間に食い込まないように、各党の質問者が制限時間に気をつけますので、まず空転することはありません。むしろテレビ放送のない 2 日目の方が危険で、野党は空転を狙ってあらゆる仕掛けをしてきます。その際動ぜず、円滑に議事の整理をし進行させていくのが、偏に委員長の手腕です。閣僚が答弁に窮するたびに野党理事は委員長席に駆け寄り、審議を中断する事を求めます。そこをうまく裁き円滑なる委員会運営を手掛けるのが、委員長の醍醐味でもあります。
しかし、さすがに法務大臣の答弁が二転三転した時にはそうは行かなくなりました。大臣にとっては初めての答弁でもあり、野次の応酬にパニくっているようでありましたので、まず時間をとってクールダウンさせる事にし、速記を止め、委員会を中断させ、答弁の整理を命じました。この間、与野党理事を呼び、このような整理の仕方に対する了解を取りました。
9 分後に再開し、質問者に再度質問を命じ、大臣に整理した答弁をさせました。ところが、民主党の委員も慣れてないものですから議会のルールが分からず、更に野次を飛ばし、同党の質問者に中断コールをかけるものですから、質問者が質問を中断し座ってしまいました。
委員長席から、理事間協議により対応した結果の答弁であり質問を続行するようきつく要請し、ようやく正常化しました。大臣も慣れていなければ野党委員も初心者で理事間協議の何たるかを理解できていないようです。
終わってみれば野党の幹事長から 「豪腕委員長」 の名称を戴きましたが、与党のみならず、野党にも信頼される委員長として今後も精進したいと思います。