国会リポート 第56号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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国会には通常国会 ( 1 月下旬開催 ~ 6 月下旬まで) と臨時国会 (それ以外の時期で必要に応じて)、そして特別国会 (選挙が終った後、国会人事等を決めるためのごく短いもの) があります。

国会が開かれますと、まず陛下をお迎えした開会式が開かれ、その後に時の総理の所信表明演説 (通常国会では施政方針演説) があり、それを受けた各党代表質問が行われます。それが済みますと通常、予算委員会が開会をされ、総理をはじめ全閣僚に質問が及びます。そして予算委員会が済んだ後に、初めて他の委員会が本格的に動き出します。

予算委員会という名前からして、本来予算に関することを議論する場ですが、およそありとあらゆる議論は突き詰めれば予算に絡んでいるという屁理屈で、およそ予算に関係ないことまで議題になり、もっぱら与野党対決の 「何でも委員会」 なかんずく 「スキャンダル追及委員会」 の様を呈しています。

先般、初委員会を開催し委員長としての第一声を発しましたが、野党席から 「最年少委員長ではないですか」 との声が掛かりました。元来、予算委員長は党の重鎮が座るポストですから 60代 70代の委員長が多いので、もしやと調べて過去 30 年ほど遡ってみますと、自民党議員の中では 3 番目に若い委員長でした。

2 番目は竹下登氏で、私より 1 歳若い 54 歳就任でありました。そして最年少は小渕恵三氏で 48 歳でした。もっとも小渕さんは初当選が 26 歳でありましたので、さもありなんと思います。

予算委員会開催に際し、事前に委員会開会回数、総理の出席の有無等を理事会で決めるわけですが、毎回これが大難航。理事会を数回、時には十数回開催しても話がつかないことがしばしば。委員長と与党筆頭理事は如何にスムースにこれを決めるかが腕の見せ所です。

委員長は基本的には与野党中立というのが建て前ですが、正副議長を含めて出身政党に寄りがちなのは致し方のないところです。私はいろいろな委員会の筆頭理事として野党とのドンパチの最前線の経験が長いものですから、今は委員長であるということを自分に言い聞かせるのが結構大変です。

 

今週の出来事「われら個性派

 

先日、日産セドリックの後継車種「フーガ」の発表会に呼ばれました。

私の私用車プレジデントは外観こそピカピカですが、4 年半で 15 万キロ近く走り、整備に次第にお金がかかるようになってきました。そろそろ限界かと後継車を探していたところ、日産からぜひに、と勧められました。

価格はプレジデントの半分以下ですが、設計年次が新しい車は大したもの、と思わせる所が随所にありました。人と同じものは好まない性格ですので、あちこちにオプションを付け差別化を図ることにしました。

日産の担当者から、

「先生、他の物はともかく、エンブレムを金色にするのはどうなんでしょうか…」

「何で?」

「黒い車体に金モールでは、やくざと間違えられませんか」

「今の車もそうなんだけど」

「……。」

個性的と悪趣味は紙一重!?