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今回の改選人事で予算委員長に内定いたしました。正式には 12 日の衆議院本会議で指名され決定いたします。
衆議院には 17 の常任委員会があり、その数だけ委員長がおりますが、中でも議院運営委員長と予算委員長だけは閣僚級委員長として別格扱いされています。
その中でも予算委員長は特別で、閣僚経験者の中から 1 名だけ選ばれます。過去に閣僚経験がなく就任したのは浜田幸一氏だけであり、問題発言を恐れて入閣を見送られ続けてきたために、最終的に予算委員長のポストが与えられました (それでもたちまち問題発言で辞任しましたが…)。
地元もそうでしょうが、マスコミ関係者は私が入閣の有力候補者と見ていたため、各社から 10 分おきに入閣打診の有無の問合せがありました。しかし山崎派の入閣第一候補は大野功統氏でありましたし、武部勤氏が驚天動地の幹事長指名を受けた時点でそれは難しくなりました。
与謝野馨氏の政調会長就任の話は、前々日の午前中にはマスコミから私に伝わっておりましたし、前日にはご機嫌で床屋に行っていたと記者団が語っておりましたが、完全秘密主義の小泉総理は新幹事長のニュースが漏れるのを極度に嫌って、山崎拓氏にすら連絡を入れませんでした。
当日、朝 9 時 05 分に安倍晋三氏の待つ党本部幹事長室に小泉総理が入り、
「新しい幹事長がぜひ君に幹事長代理をやって欲しいと言っているので、やってくれないか」
「新しい幹事長って、誰ですか?」
「武部さんだ」
「!!……。」
というやり取りが 2 人の間でありました。その日の夜、あるパーティーで一緒になった安倍さんに、
「なぜ幹事長代理を受けたんですか?」
と尋ねたところ、
「何せ時間がない中でとっさに言われたもんですから、断りきれなかったんです」
とのことでした。
額賀福志郎氏の政調会長を外し、青木参院議員会長の幹事長就任要請にも耳を貸さなかった小泉総理は組閣後、さすがに気が引けたのか当の額賀氏に予算委員長就任を打診したようですが、額賀氏はこれを固辞し「甘利さんが適任だと思う」と私を推薦してくれたそうです。
山崎会長、亀井前農相を始め山崎派の同志は懸命に私を売り込んでくれましたが、同時に額賀氏や中川国対委員長、そして安倍前幹事長等々、派閥を越えた多くの方々が私を心配し、強力な後押しをしてくれました。友情に心から感謝したいと思います。
私自身、与えられた職務の中で全力を尽くすことは言うまでもありません。