国会リポート 第52号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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臨時国会の会期が 8 月 6 日までの 8 日間と決定しました。与党は当初 5 日間を主張し、民主党は 30 日間を主張しました。ところが、調べてみると、お盆明けから 10 数班もの海外派遣が組まれており、一つ残らず民主党議員をはじめとする野党議員が半数近くを占めていました。

例によって、建て前は審議を尽くすべきだと 30 日間を主張し、本音は自民党にまた悪者になってもらって、極力短い期間で押し切ってもらえば助かる、ということでした。

参議院の議長選では、適任者が見つからず二転三転しましたが、結局、議員経験年数の長い (5 期) 扇千景氏に決まりました。中曽根弘文氏という案もありましたが、3 年後に議長就任がうわさされる青木幹雄党参議院議員会長よりもかなり歳の若い中曽根氏が先に就任することは難しいという事情もあったようです。中曽根弘文氏自身は意欲を示していましたが、この世界は当事者があまり意欲を示しすぎると、周りが引けてしまうという事情もあります。

4 年前に衆議院から転向した関谷勝嗣氏という話も一部にはあったようですが、というのは扇千景氏は野党からの復党組、関谷勝嗣氏は衆議院からのくら替え組 (衆 8 期 + 参 2 期)、復党よりもくら替えの方が罪が浅いということで関谷氏を推す声も一部にはあったようですが、参議院初の女性議長という声に説得力があったようです。

橋本派 1 億円受領問題は自民党のイメージダウンはもとより、橋本派の求心力に深刻な陰を落としています。本来ならば小泉総理の求心力が落ちていく中で、相対的に橋本派の発言力が高まるはずでしたが、そうは行かなくなりそうです。

森前総理の発言の、額賀福志郎政調会長の幹事長横すべりはかなり難しい状況になってきたと見るべきでしょう。恐らく、総理は安倍幹事長に留任要請をすると思いますが、固辞している安倍幹事長は自身の政権戦略での政治生命の保持をどういう形で行うのがベターか、しばらくは思い悩むことになると思います。

 

今週の出来事「得意技

 

7 月 31 日土曜日は盆踊りのピークでした。案内状を 26 ヶ所からいただきましたが、午後 6 時半~ 9 時半という時間的制約もあり、16 ヶ所を回ったところでタイムアップとなってしまいました。 全ての箇所で挨拶をさせてもらいましたが、時間の制約上、得意の炭坑節を披露することができませんでした。炭坑節を踊らせたら国会議員の中で 3 本の指に入ると豪語していましたら、松島みどり衆議院議員に、

「先生、甘いですよ。私なんか 16 曲踊れますから」

と返されました。

"その熱心さを、別のところに回せば?!"