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さて、参議院選挙で自民党は現有議席を 2 つ減らし、敗北いたしました。反省すべき点を総括しておりますが、街頭で自民党に苦言を呈す人たちの意見に耳を傾けてみると、年金法や多国籍軍への自衛隊参加について政策の中身へのクレームではなく、手順や手続き、態度への不満が原因のようでした。「年金改正はけしからん」 と詰め寄る人に、どの点が悪いのか尋ねてみると、ほとんどの人がしどろもどろで、民主党案に至っては私が接した限り、一人として理解をして支持している人はいませんでした。テレビのキャスターが言っていることを感情的に捉えている人がほとんどで、とにかく不満のはけ口を小泉政権に向けているといった印象でした。
小泉総理は昔も今も何ら変わらずワンフレーズポリティクスですが、昔 「感動した!」 と叫べば拍手が起こったものが、今 「人生いろいろ」 とかわすと不遜な態度となじられるわけですから、3 年を越える政権になったときには、発足当初よりも丁寧な説明が真摯な姿勢と受け止められることに注意を払うべきなのでしょう。
小泉総理が内閣発足当時、「これからやろうとしている改革は 1 年や 2 年では成果を得ることができない。3 年 4 年かかって得る成果を共有するために、痛みに耐えてこの改革を支えて欲しい」 と表明していたことは記憶に新しいことですが、3 年 3 ヶ月経って景気は回復し (先進国中最高の成長率)、失業率も改善し (5.4% から 4.6% へ)、不良債権処理も目標通り進んでおります。行革では厄介な特殊法人改革を断行し、その分野だけで年間 1 兆 4 千億円もの国費を削減できたことは事実ですし、規制改革の下に新規事業の参入が飛躍的に増大し、産学連携の下に大学と民間企業のコラボレーションが圧倒的に進み出しました。そして、そのすべては従来型の財政出動に拠るものではなく、構造改革 (規制・制度・慣行の見直し等) によって実現されたものです。
小泉構造改革は公約通り、そしてスケジュール通り進んでいることを、分かり易く説明する責任が政府にはあります。そして国民の皆様には、感情論を排して事実を受け止めていただきたいと切に願います。