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年金改革法案が 28日水曜日に委員会で可決され、連休明けの本会議で衆議院を通過いたします。
当初、民主党はピケを張るなど物理的徹底抗戦をする予定でしたが、議会制民主主義を否定するような暴力的なやり方は国民に支持されないということで、反対を叫ぶだけにして従来のようにマイクを引きちぎったり委員長を席から引きずり下ろしたりはせず、穏やかな路線に転換してきました。
菅代表は党首討論でも街頭演説でも小泉総理や自民党を口汚く罵るスタイルですが (党首討論ではテレビ中継されているにもかかわらず 「あんたは詐欺師だ!」 とやったものですから、与党から懲罰要請が出て、現在対処中です)、かえって逆効果で、良識ある民主党議員からは疑問の声が上がっています。相手に挑む討論とは、聴衆や大向こうを 「なるほど」 と唸らせるようなものでなければいけません。街頭でスピーカーでアジテーションしている市民活動家のような感覚をそのまま議会に持ち込むのは、後味の悪い討論になります。
さて、年金問題は与野党続々と未納者が出現していますが、これは小泉総理が言うように制度的欠陥が主要因だと思います。
毎月 10万円以上の掛け金が歳費から天引きされている議員年金は、共済年金や厚生年金と違って基礎年金 (国民年金) 部分が含まれていない特殊な年金であるということ、さらには大臣に就任したら健康保険だけは役所の所属になるけれども基礎年金部分は国民年金のままだということ、そしてそれらの注意が社会保険庁からは一切なされないということ、等が指摘されています。
国会議員の名誉のために言えば、制度を承知で国民年金を未納していた者は一人もいません。与野党とも政争の具とはせず、問題が起きないよう、制度を整備する冷静な議論が必要です。