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金曜日 (3月 5日) に平成 16年度予算が衆議院を可決通過し、参議院に送付されました。当初マスコミに前日の 3月 4日通過予定と報道されたものですから、野党は一斉に硬化し断固阻止という姿勢になり、その結果として一日ずれ込みました。
自民党側から 3月 4日に通すと言ったわけではなく、マスコミの予測として報道したにもかかわらず、野党の、特に民主党の対応はかつての社会党となんら変わらず、4日と報道された以上 4日に通しては面子が立たないという態度で、古色蒼然たる抵抗野党の域を何ら出るものではありませんでした。4日の内容も通過した 5日の内容も、予算の中身は何ら変わらないわけで、単なる面子の問題だけで国民生活が 1日置き去りにされたという馬鹿馬鹿しい話です。昔の社会党は予算の成立を遅らせることが勝利だと勘違いをし、暫定予算何日を勝ち取った、などと誇らしげに発表をしたものです。つまり国民生活を置き去りにすることが自民党を困らせることになり、それが社会党の勝利につながるという間抜けな発想です。民主党も相変わらずその体質が抜け切らないようです。
予算は衆議院を通過すると 30日以内に自然成立をしますから、4月 4日には成立をすることが確定しました。しかし参議院は、自然成立を待っていたのでは参議院の存在意義にかかわりますから、さらに何日か短縮する努力を続けていきます。新年度初日 4月 1日に直ちに支出する予算項目はありませんから、来年度予算の年度内成立は事実上確定したことになります。
予算の議決の投票は補正予算でない限り、必ず記名投票で行われます。一人一人が点呼を受けて壇上に上がります。最初は革新系無所属議員が呼ばれますので、いの一番に投票に向かったのは経歴詐称の被疑者である古賀潤一郎議員でした。名前が呼ばれるや否や、場内から一斉に
「まだいたのか」
「早く辞職しろ」
と野次が飛び交い、議場は騒然としました。しかし本人は黙ってうつむいたまま投票を終えました。かつての自由党の幹部から頬かむりをして嵐が過ぎ去るのを待てと言われているようで、それを淡々と実行しているようです。