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今次のキーワードは年金改革と三位一体です。年金は現役時代に掛けていたお金に国が補填したものをリタイアした後に分割して受け取っていると勘違いしている人がいますが、年金は世代間扶養であり、若い世代からお年寄りの世代への仕送り制度と言ってもいいでしょう。
支払う人が多くもらう人が少なかった今の年金世代は、現役時代に掛けていた保険料総額のおよそ 8倍をもらっていることになります。しかし仕送りする現役世代の人口が減り、受け取る老年世代の人口が増えていますから、一寸やそっと国費投入を増やした程度では焼け石に水。受け取る金額を大幅に減らすか、仕送りする金額を大幅に増やすかしなければ辻つまが合わなくなります。
そこで、いわゆる三方一両損、つまり支払う側に今までより少し多めに払ってもらい [厚生年金でいえば年収の 13.5%の保険料が 18.35%に (いずれも労使折半) ]、国にも今までより多く国費を投入してもらい [国庫負担割合を 1/3から 1/2へ]、もらう側にも少し金額を抑えてもらう [現役の平均年収の 59% (現在) を 50%へ] というものです。これらの改革を 14年かけて少しずつ軟着陸させていくという方法です。
三位一体とは地方への補助金・交付税・地方への税源移譲、これらを一体として改革することを言います。小泉改革のキーワードは 「官から民へ」 と 「中央から地方へ」 です。地方の自立を促すために補助金は削減縮小し、その分地方が自分の判断で使えるお金を増やします。国からの紐付きのお金ではなく、地方が自分で集められる税の取り分を増やします。同時に徹底的な行革も地方に要請しています。