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いよいよ国会会期末を 18 日に控え、イラク復興支援法の是非をからめた会期延長論議の攻防が、与野党のみならず自民党内でも始まっています。
通常、会期末のぎりぎりになるまで与党幹部は会期延長論を表に出すことはありません。「会期内にすべての法案を成立させるために全力を尽くす」 ということが国会対策上の基本であり、建て前であります。会期途中に会期延長の必要性を表に出した途端、野党に 「延長するなら今の審議を急ぐ必要はないではないか」 との口実を与え、法案審議は途端にスピードダウンします。イラク新法を除いたとしても、既国会提出案件を処理するにはとても審議時間が足りません。加えてイラク新法を提出するとなれば、かなりの会期延長幅が必要になります。
非主流派の中には、長期会期延長は解散権のフリーハンドを総理に与え、9 月の総裁選に対立候補が出馬する時間的余裕を剥奪してしまう、との憶測がありますが、いささかピント外れの議論です。というのも、解散権は国会開会中であるなしに制約されず (法的には国会閉会中でも可能です)、加えて小泉総理は延命や党勢拡張のための戦術としての解散という発想は全く持ち合わせていないからです。
小泉総理は純粋に案件処理に必要な日数だけ会期延長を要請するはずですが、いろいろな憶測を呼ぶのは小泉総理を従来型総理の枠で考えている人達です。