国会リポート 第23号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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統一地方選の前半戦が終わり、後半戦(市長、市議選)が始まりました。それに関し、先々週から地元に加え北海道・福井・茨城と出張してきました。

北海道滝川市では知事候補と道議会議員候補の応援のために入った道議会議員の選挙事務所で後援会長と名刺交換をした際、いきなり先方から 「先生のお父さんは甘利正さんですよね」 と言われ大変驚きましたが、その人は昔茅ヶ崎に勤務していたとのこと。つくづく世間は広いようで狭いと痛感しました。

茨城の日立駅で参議院補欠選挙候補者の応援演説をした際、地元の次期衆議院候補予定者が小泉内閣の経済政策の批判をしながら候補の応援をしているのを聴くにつけ、未だ 50% の支持率を持つ小泉内閣への国民の期待と、現場で政治家に届く支持者の声とのギャップをどう整理していくか、来るべき総選挙時に行う演説の最大の課題になりそうです。

 

今週の出来事「鉄腕アトム

 

日本が世界に誇る不世出の漫画家・手塚治虫さんの代表作 『鉄腕アトム』 はいまから 51 年前に月刊誌に連載デビューしましたが、そのアトムの誕生した日が 2003 年 4 月 7 日の設定になっています。アトムは 「原子」 という意味ですが、英語には 「微塵 (みじん)」 という意味もあり、アメリカで放映する際には 「鉄腕みじん子」 ではとても強そうに思われないため 「アストロボーイ (宇宙少年)」 という名前で放映されました。

推進エネルギーはもちろん原子力です。50 年前に夢のエネルギーであった原子力も、一部の人にとっては悪夢のエネルギーと思い込まれています。誤解を解く為にも、正確で正当な検証が何よりも大切です。地球温暖化は CO2 が主たる原因ですが、南極の氷が溶けて海水面が上昇する危険よりも、大気中の CO2 濃度が 3% を越えると人類は生存できないということの方が深刻な問題なのです。学者の中には、放置すれば 50 年以内に到来すると試算する人もいます。

ちなみに原子力は、運転時 CO2 排出量ゼロのエネルギーです。加えて、原子力発電の燃料である濃縮ウラン 1t は、化石燃料 (石油、石炭、天然ガス) の数万 t ~ 10 万 t に匹敵します。プルトニウム利用のプルサーマル方式なら更に 50% 増し、もんじゅ (高速増殖原子炉) なら実に 120 倍、つまり 5 ~ 6 万 t 分の石油や天然ガスには、わずか 8㎏!! の濃縮ウランで代替出来るというわけです。やっぱり原子力ってすごいですね。