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米英合同軍は極めてスムーズにバグダッドに向って進攻しています。 民間人はもちろんのこと、イラク軍人にも極力犠牲者を出さないようにしつつイラクを解放するという大義に従って攻撃していますので、軍関連施設を爆撃する際にも、民間施設との距離を測定し、そこまで被害が及ばぬような爆弾の種類を選定し、爆風被害が極力出ないような投下角度まで算出するという念の入れ様です。しかし数千発の中には軌道を外れるものがないとは言い切れず、民家を誤爆することがないよう細心の注意が払われなければなりません。併せて投降ビラの大量配布を含めた情報戦を展開しているために、イラク兵が続々と投降しています。
イラク軍は約 38 万人と言われていますが、そのうち親衛隊は 10 万弱、その中の精鋭部隊は約 1 万と言われています。この 1 万人はフセイン独裁政権下で相当いい思いをしてきた輩ですから、フセイン大統領と運命を共にするしかないと思っており、その抵抗が最も熾烈であると考えられます。彼らの作戦はわざと民家の中にもぐり込み、民間イラク人を盾にしたゲリラ戦を行うというものです。1 軒の家の中に民間人と兵隊が入り混じった状態で、攻撃してくるイラク兵だけを選別してたたくことは、非常な緊張を強いられます。しかし間もなく人道物資援助が始まりますし、民間人と兵隊とを切り離す作戦も実行されてくれば、1 ヶ月以内にこの戦争は終結すると思われます。
フセイン大統領はイラン・イラク戦争時にイラン人を約3万7千人、そして湾岸戦争の前に自国民たるクルド人を約 3 千人、女子供を含めそれぞれ無差別に化学兵器で大量殺戮を行いました。赤ん坊を抱いたまま無残に変色した母親の死体や、年端の行かない子供たちの死骸がゴロゴロ転がっている光景を思い起こすだけでゾッとします。まさにフセインによるジェノサイド (集団大量虐殺) でした。イラク自身、化学兵器を製造した事実を認めているため、その行方を確認しなければなりません。ブリックス国連査察団委員長の報告によれば、現在も大量の化学兵器 (VX ガス、マスタードガス等) の保有が極めて濃厚であるとされています。その量たるや、数億人を殺害し得るものと言われています。
これらをフセインもしくはフセインとつながるテロ組織が再度使用するのを排除するための武力行使が、今行われているのです。