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「今度、行革本部長をお願いします。」
選挙から数日後に突然安倍総理から連絡がありました。行革本部長?と不思議に思いながらも「はい。わかりました。」と答えると、「党本部に部屋もありますから。(笑)」「はい。承知しました。」いぶかしげに思っている気持ちが伝わったのか、「前任者は細田さんですから。」『そういうことか・・・』
翌日番記者から「官邸から甘利行革本部長というニュースが漏れてきました。」と連絡がありました。「前任者は誰でしたっけ?」と聞かれ、しらばっくれていると2,3日後にその記者から「大島さんが議長を降りるので後任に総理の所属する派閥の清和会の会長の細田さんをと考えたようですが、その後の派閥会長に適任者がいないということで断念したようです。」と連絡がありました。あくまでも官邸回りの記者たちの推測ですが、そうだとしたら細田さんは人望、能力があるがゆえにチャンスを逃したということになります。
その話が落ち着くと数日後に岸田政調会長から連絡があり、知的財産調査会の会長を是非受けてほしいとのことでした。「先生が初代会長ですし、一緒に取り組んだ頃の華やかさを是非取り戻して頂きたいんです。」との懇請でした。昔はコンテンツ関係の課題があると「チーム甘利」と呼ばれるメンバーを招集し、一緒に楽しく議員立法の論議をしました。若かりし頃の岸田政調会長、林文科大臣、茂木経済再生大臣や世耕経産大臣です。みんな立派に成長して日本を担う人材になりました。そのチームで作った議員立法がコンテンツ基本法や映画盗撮防止法です。映画館に行けば必ず登場する「NO MORE 映画泥棒」の法律作成は「チーム甘利」が主導しました。
行革本部長、知的財産調査会長と合わせ、従来からの税制調査会インナーメンバー、党総務といきなり猫の手も借りたい状態になりました。でも不思議と負担感はありません。典型的な普通の日本人と思っていたら、私も完全に政治家仕様の仕事師になっていたんですね。これらの仕事が同時進行で年末に向かって進んでいくので、もはや日程はぐちゃぐちゃ。税制調査会インナーメンバーとしては、
1)所得税改革
2)法人税のアベノミクス仕様化(いわゆる内部留保の経済好循環活用への取り組みをインセンティブとディスインセンティブで加速)
3)中小企業投資促進への固定資産税活用
4)中小企業事業承継円滑化
5)生産性革命、人づくり革命に向けての将来の税の在り方
―― 等々。大きな課題がないと言われていた今期税制改正も難題山積です。
行革本部長としては、
1)行政の生産性革命
2)内閣官房・内閣府・実施官庁間の職務仕分け
3)イノベーション立国に向けての大学改革と科学技術の司令塔機能の構築
4)エヴィデンスベースの政策立案システム
5)データ利活用社会に向けての利便性と安全性を両立させるマイナンバーシステムの圧倒的普及
―― 等々。こちらも重要課題が目白押しです。
そして知財調査会長としてはイノベーションナショナルシステム(甘利プラン)の完成。これは行革本部の議論とも重複して推進していくものです。
更には、ルール形成戦略の実践的推進で、日本を世界標準に合わせる国から世界標準を創造できる国にし、オープンイノベーションの時代に新しい市場を生み出す戦略を創ることなど課題は山積みです。