総 覧
久々に週末、選挙区の野外イベントに参加をしましたが、会場から「日本ってこんなに結束できるんだって思いですよ。内閣がまとまっているってことはすごいことですよね。」という言葉を掛けられました。
内閣がまとまっているということは実は当たり前のことなのですが、安倍内閣の結束が固いということがこれほど評価をされるということは、裏返せば過去の内閣の足並みがいかに乱れていたかの証左です。「4ヶ月も経つのにまだ一人の閣僚も首にならない。」冗談めいて掛けられる一言が、何やら真顔の発言に思われてきます。
先般、予算委員会にて野党のヤジに若干エキサイトして答えた総理の言葉が波紋を呼びました。総理が言いたかったことは、歴史判断は客観的、科学的見地からその道の専門家が評価をすべきであり、利害関係者たる政治家が評価をすればどうしてもバイアスのかかったものになりがちだという事です。
揺さぶりをかける度に動揺すればその案件は未来永劫、外交ツールとして使われます。揺さぶりをかけられても微動だにしなければその案件は外交ツールとしての価値は失われます。中国が歴史的にも、国際法上も微塵も疑いもない日本の領土たる尖閣諸島に言いがかり以下の難癖をつけてくるのは、その度に動揺して国論が乱れる足下を見透かしているのです。与野党が、そして国内が一致結束をして毅然たる姿勢で一歩も譲らないというスタンスこそ、この問題の唯一の解答策なのです。
さて、先週の水曜日にアメリカは日本のTPP参加を議会に通知を致しました。順調にいけばその90日後、7月下旬に日本は正式にTPPのメンバー国となります。その間の三ヶ月間、手をこまねいている訳ではなく、徹底的な情報収集に奔走しなければなりません。関係各閣僚が手分けをしこのゴールデンウィーク中、関係国を駆け回ります。
今日までの感触によれば重要なことは、まだほとんど決まっていないようです。日米の事前協議で決定した事はたった一つ。アメリカの自動車に関する関税が最終的にはゼロになるという事だけです。この点で言えば、今回の対応は「米韓FTAにおけるアメリカの自動車関税をなくす期間」より長いものにするとあるのは、日本側の腰が引けている証拠だという人がいますが、韓国はその際、自身の輸入関税8%をただちに半分に引き下げ、最終的にはゼロにするというカードを切っています。日本側は自動車の輸入関税がすでにゼロになっていますから、その点ではなんら対応はしていません。
日本が一方的に譲歩したという評価がありますが、今の時点では日本側は自分のカードを切っていないのです。もちろん、日本が参加する以前に結論が出ている案件について、後から入った日本がそれを覆すということは難しいのはTPPに限ったことではありません。
TPPを最終到達点と考えるか次なるステージへの踏み台と考えるかでも話は変わります。これを中間通過点と考えたらいろんな展開が可能になります。RCEP(アールセップ)はASEAN10ヶ国に、日中韓とオーストラリア・ニュージーランドそれにインドを加えた経済連携構想です。 APECに加盟してないインドをAPECワイドのFTAであるFTAAP(エフタープ)に繋げていくのも、日本の使命と考えます。