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予想した通り、参議院での野田総理問責決議案への対応が批判を呼んでいます。
自民・公明で提出した野田総理問責決議案に小沢新党やみんなの党をはじめとする 7野党が同調せず、次善の策として 7野党の出した問責決議案に自民党が相乗りし、可決させました。
それはともかくとして 7野党が出した問責決議案の中身が問題です。提出理由に「自・公・民で消費税引き上げを談合したのはけしからん」というような趣旨が記載してあります。それに賛成するということは自ら信じて決めた政策を自ら否定する自己矛盾に陥ります。提出理由には目を瞑り、結果を取ったことになります。
公明党は賛成せず退席をし、「我々は筋を通した」と主張しましたので、ますます参議院自民党の対応が疑問視されるわけです。
私自身もまったくその通りだと思っています。
自民党役員会のたびに、少なくとも自民・公明間の意思疎通はしっかりと図り、世の中に正論として通る論理立てはしておくべきだと主張してきました。
今回の出来事も「参議院自民党の暴走」という言葉では片付けられません。自民党幹事長は衆議院だけの幹事長ではなく、衆参を含めた全体の幹事長なのです。
総裁も幹事長も参議院の政治行動には責任を負わなければなりません。
さて、週明け (9月 3日) から自民党総裁選が一挙に走り出します。今国会中に解散に追い込むという大義名分が総裁選の行動を抑制していたわけですから、そのタガが外れた以上、各陣営は一斉に走り出します。
谷垣総裁自身は誠実な人柄で明るく尊敬できる人間です。しかし会期内解散で他候補の動きが取れない時のみ次期総裁としてのコンセンサスが得られたと思いますが、それがなくなり今回の対応が批判を呼ぶとなると、極めて厳しい状況に追い込まれます。
町村氏は推薦人は集まるとしても他派まで票を伸ばしていくのは難しそうです。
となると近々出馬表明するとみられる石破茂氏、そして週明けに経済勉強会を立ち上げる安倍元総理、加えて谷垣総裁が出馬しないなら自身が、と主張している石原幹事長ということになりそうです。
しかし、谷垣総裁が一連の対応の不備を指摘された場合、党務の指揮を執るのは幹事長ですから、同じ責めを負うことになります。総裁が出ないなら自分が、という主張はなかなか厳しくなるのではないかというのが党内の観測です。
「先生は今回出るんですか?そうなら動き出さないと。」と何人かの仲間から問い合わせを受けました。
心の準備も含めて対応ができるかと悶々としている中で、安倍元総理から「今度作る経済の勉強会に参加して欲しい」旨、直接連絡を頂きました。
しばらく時間をもらい、仲間と相談した上、参加することを決心しました。
領土や外交問題ばかりが目立っていますが、実は日本のお家芸の経済も存亡の危機に立っています。
三十数年ぶりに赤字に陥った貿易収支はこのままでは改善せず、拡大し、数年後には経常収支すら赤字に陥るという予測が出始めました。その先にはギリシャ・イタリアシナリオが待っています。
外交・防衛・経済の国家的危機においては、プロフェッショナルの腕が必要です。
総理経験があり、近い将来再登板を、と期待がある安倍氏が適任との思いに至りました。