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金正恩新体制の威信を賭けた北朝鮮のミサイル発射実験は失敗に終わりました。驚いたことに北朝鮮当局は正式な報道で失敗を認めました。
当日、自民党本部では朝からこれに関するいくつかの会議が開かれておりましたが、議員が集まれば北朝鮮当局はどういう報道の仕方をするのかに注目が集まっていました。
発射を正当化するために外国プレスに前例のない公開の仕方をしていましただけに、この結果は予期していなかったと思われます。
何事にも強気一辺倒の北朝鮮当局がこれだけ素直に負けを認めることは取り繕いのしようのない事態と思ったか、金正恩体制の求心力がないかのどちらかではないでしょうか。
国連決議を無視してミサイル核開発に邁進する北朝鮮は、アメリカ本土に届く核弾頭ミサイル開発を成功させるまで断念はしないと思います。と言うのも、それが唯一アメリカを対等の交渉の場に引き出せる方法と考えている以上、ちょっとやそっとではこれを断念するはずはありません。アメリカと対等の交渉をし、それを以って日本を始めとする周辺国からの望み通りの援助を引き出し、なおかつアメリカに現体制の存続を認めさせる。それが唯一絶対の目的である以上、生半可なことでは断念するはずはありません。
今回のミサイルが日本の領土・領海内に落ちる危険性があると判断された場合、これを迎撃する命令が出されました。平和目的のためのロケット発射と軍事目的のミサイル攻撃とは対処の仕方がまったく異なります。今回は人工衛星と北朝鮮が主張している以上、災害に対処するための破壊措置命令ですから、防衛大臣が命令を下しました。
一方、これが日本攻撃の意図のある弾道ミサイル発射であった場合は、総理大臣が防衛出動を命じて迎撃、および自衛のための反撃を命じます。
自衛隊へ下す各種出動命令はすべて防衛大臣が行うと思っている人もいますが、自衛隊の最高指揮官は総理大臣です。(もっとも菅前総理は就任して初めてそのことを知ったようですが。)
総理が自衛隊に下す出動命令は基本的に三つです。一つは軍事攻撃に対処するための防衛出動、二つ目は治安出動、三つ目はテロ等により自衛隊基地、並びに米軍基地が襲撃されるのを防ぐための警備出動命令です。それ以外の出動命令はすべて防衛大臣が行います。
自民党は 4月 28日、日本が主権を回復したサンフランシスコ講和条約発効 60周年の日を機に新憲法草案を発表致します。憲法全体を見直しますが、第9条に関しては、自衛隊を自衛軍と明確に位置付け自衛権を明記致します。
国権の発動たる戦争や国際紛争を解決する手段としての武力行使は認めませんが、自衛のための戦争は自然権に加え、憲法上明記いたします。
集団的自衛権については、国連憲章上権利が付与されてはいるが行使はしないという立場を取っていましたが、自衛のための権利として明確にしていく方向です。
どこの国においても憲法は不磨の大典ではなく、時代時代の変化によって国民の総意で改善していくものです。
自民党の結党以来の党是である憲法改正が着実に現実のものとなりつつあります。