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与謝野議員と、その側近の園田議員が自民党を離党しました。ほどなく新党を結成するとの表明です。

民主党の閣僚から一斉に「彼等と組むつもりはない」という発言が出ましたが、まったく的外れな発言です。元々、2人は民主党の暴走をこれ以上許せば日本自体が崩壊してしまうという強い危機感を持っていました。

民主党の政権担当能力の無さは国民の知るところとなりましたが、さりとて半年前に否定したばかりの自民党も受け皿が足り得るのか、そう思っている有権者の受け皿にならんとするための新党結成です。

何としても参議院でねじれを起こす、つまり連立与党に過半数を取らせないという事を実現しなければ、日本が終わってしまうという強い危機感ゆえの離党です。であらば、民主党と組むという事は論理的に有り得ない選択です。

年が明けて以降、自民党は民主党の政策を批判するだけに終わらず、すべてに対案を出すという対応をして参りました。極めて問題の多い政府予算に『NO』と言うと同時に、より良き予算案を自民党が考える対案として国会に提出しました。いよいよ審議に入る公務員制度改革の法案も、骨抜きの政府案に代わって基本法の趣旨に則った立派な対案を提出予定です。反対する案件には必ず対案を用意するという姿勢は、かつての野党にはまったく存在しなかった対応です。

先般の谷垣総裁と鳩山総理との党首討論は、今までで一番見応えがありました。普天間基地の移設先を 5月いっぱいで必ず己の責任において決定すると鳩山総理は言い切りました。しかも、その際にはアメリカの了解も移転先の地元の了解も、そして沖縄の了解もすべて取り付けるという前提です。

鳩山総理が盛んに主張した「腹案」とは牧野聖修議員が提案をしている徳之島であろうという事は、以前より囁かれていました。普天間問題に限らず、鳩山総理は議員からの新しい提案がある度にそれを鵜呑みにしてしまい、自分の考えとしてコメントする癖を指摘されています。4,200人という島民のほとんどが参加した反対集会を、軽率な思い込みでどう説得するのでしょうか。今、民主党から出ているあらゆる案は、すでに自民党政権下ですべて検討し尽くしたという事を、もうそろそろ理解すべきではないでしょうか。

温暖化ガスを 1990年レベルから 25％減らすという鳩山提案を実現するためのロードマップ素案を小沢環境大臣が提示いたしました。

かつて、麻生内閣で有識者を集め試算させた時には、マイナス 25％案では経済成長を引き下げ、相当な国民負担を要するという試算結果でしたが、今度の検討結果は重圧をかければかけるほど企業は技術開発を行い、経済は発展するという試算です。

色々な立場の学者やエコノミストを入れて検討した前回と違い、都合の良い人間だけを集めて検討した結果は、都合の良い結論ありきの検討です。何より、あらゆる企業は日本から出ていってしまう事はないという前提に立った試算でありますが、私の承知している限りでも相当な数の製造業が日本を見限り、国内投資から海外投資へ変更しているという事実がまったく勘案されていません。検討が環境省だけで行われ、産業の実態を把握している省庁が蚊帳の外では、試算など机上の空論です。

慶応大学と国立環境研究所、そして日本経済研究センター三者の均衡モデルによれば、2020年時点で GDP は 3.2％マイナスになり、失業率は 1.3％上がり、家計の可処分所得は 22万円減り、光熱費負担は 14万円増えるという数字になっています。これに加え、電圧や周波数の不安定な太陽光や風力を全量買い取った場合に設置しなければならない変電所の大容量バッテリーは、それだけで 7兆円の費用がかかります。このコストは当然消費者に転嫁されることになるでしょうから 1990年比マイナス 25％というウケ狙い目標は国益がかかる重大な案件だという事を見つめなおす必要があります。