総 覧
『つくづく麻生総理もお人好しだなぁ。』
総理番記者たちは総理の気が緩んだところを見計らって、しばしば記事になりそうなひっかけ質問をしてきます。小泉内閣の総務大臣当時、本音では郵政民営化に疑義を抱いていた部分もあるんではないか?と誘導され、思わず「諸手を挙げて賛成という訳でもなかった」と当時の心境をポロリと言ったところ、後日大騒ぎになりました。
「色々と心配する点はあったが、閣僚として賛成した以上、郵政民営化が当初の期待通りその成果を発揮できるように、改善すべき点があるなら見直し期間の三年を迎えるにあたり問題提起をして欲しい」というのが伝えたい事だったと思いますが、順序が逆になり物議を醸してしまったようです。
麻生総理からは、公務員制度改革とあわせ行政改革全体も旧来からのメニューに加え、これらの新たなメニューを加味して行革を加速させる工程表を官房長官・総務大臣等と協議して作るよう指示がありました。現在も、平成18年に施行された行政改革推進法に従って 10項目の行革を推進中です。
例を挙げれば、独立行政法人改革は平成22年度末までに廃止・民営化等により 17法人削減します。ガバナンスの強化と合わせ不要財産の国庫納付を義務付ける法案も国会に提出中です。特別会計は平成23年度までに 31 あったものを 17 に削減します。また、総人件費改革により平成22年度までの 5年間で国および地方の公務員を 5.7%削減致します。また、財団・社団といった公益法人に対する政府支出を、平成21年度に約4割カットいたします。
これら進行中の行革に加え、地方分権を加速させる策や民間の改革手法を行政にも取り入れたいと考えています。電子政府も加速させなければなりませんし、それら数項目を新たに加えた行革の工程表を夏前までに策定しようと考えています。
さて、本日 (2月 16日) 平成20年度第3四半期の経済統計が発表されました。GDP のマイナス幅は年率で二桁になり、今回の世界金融危機の傷は日本が一番浅いと言っていた政府の発表との整合性が問われます。金融システム自体の傷は日本が一番浅く、欧米やアジアで頻発する銀行の破綻も日本では起きておりません。しかし、外需依存型経済の日本は輸出先の景気の後退をもろに受ける経済体質となっています。1月の 2週間の貿易統計では輸出が前年同期比マイナス46%と報じられましたので、今回の金融危機が実態経済に与える影響は日本においては列国以上と予測されます。
外需主導型から内需主導型へとよく言われます。内需振興自身は大切な事でありますが、日本の生活レベルを日本のキャパだけで維持しようとするのは無理があります。外需を取り入れて初めて日本経済は 500兆円を維持できる訳です。課題は、外需に頼りつつもその影響のふれ幅を最小限にするという事です。すなわち外需の内需化です。ASEAN (東南アジア諸国連合) との EPA (経済連携協定) や東アジア経済連携構想は、そのエリアの経済国境を取り払う、すなわち外需の内需化に資する手立てです。
私が経済産業大臣当時提案した海外市場での利潤の国内還元システムと相まって、日本の経済領域を広げるという行為がますます重要になります。