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『党首討論を逃げ回る小沢代表』
最近、こんなタイトルが頻繁に新聞に載るようになりました。
党首討論は衆参を通じた国家基本政策委員会において全閣僚が出席し与野党役員が陪席する中で、与野党の党首によって議論が戦わされます。他の委員会は政府に対する質問と答弁という形ですが、国家基本政策委員会においては「討論」の名の通り二人が対面し議論いたします。
これはかつて小沢代表自らが提案したもので、英国議会における「クエスチョンタイム」にならったものです。自身が提案しておきながら、何やかやと理由をつけて逃げ回るのは、よっぽど自信がないんでしょうか。総選挙を控え、政権を賭した戦いと自ら宣言している以上、アメリカの大統領選にならい、国民に向けて何度でも議論を戦わすべきです。有権者は次の総理たる二人が何を考え何をしようとしているのか、その差は何かを知りたがっているはずです。
民主党は言うに事欠いて、全党の党首が揃った党首懇談 (?) ならいい、と申し出ています。国会に正式に位置づけられ自らが提案したものは拒否し、任意の会なら参加するという事では、本当に政権を取る気持ちがあるのか疑われます。小沢代表は堂々と党首討論に臨むべきです。
さて、麻生総理の金融サミット (G20 首脳会議) 出席に際し、半月ほど前に私はいくつかの点を進言いたしました。資本注入の対象と量を拡大する事、金融再生と産業再生を一体的に進める事、内需拡大のための協調行動を取る事、銀行規制とイコールフッティングたる証券規制ルールを構築する事、これらを G20 シェルパ (先遣隊の事務方) 間で根回しする事等であります。私が進言するまでもなく、『経済の麻生』たる総理はすでに入念な準備をしているようでした。
通商交渉の経験で言えば、大臣会合が開催される時までには、各国のシェルパが各国の主張に関し綿密な協議を重ね、7~8割は合意が形成されているのが普通です。金融サミットのシェルパたる事務方は、主要国のいわゆる「金融マフィア」として影響力のある人材が集結する事が極めて重要で、その事が重要事項の合意形成とマーケットへの発信力に繋がっていきます。
行天元大蔵省財務官、野上元外務省事務次官、そして彼らをサポートする豊田前経済産業審議官はシェルパとして極めていい人選だと思います。豊田前経済産業審議官のエピソードは数々ありますが、どうしても譲歩しない相手側に対し、別れ際に「では、基本的にはご理解頂いた。と言うことで」とやってのけて、相手が慌てふためいたという話もあります。
年明けにも二回目がロンドンで行われるという話がありますが、世界の成長センターたるアジアをしっかりと位置づけるためにも、東京で開くことを検討すべきです。