総 覧
お蔭様で、福田内閣でも経済産業大臣として再任されました。
今度ばかりは指名される事はないと思っていましたが、当日の朝、町村外務大臣 (現官房長官) から 「総理は通商交渉がヤマ場を迎えている今、甘利さんの事は余人を持って代えがたい、と思っておられますよ。ただ、外部から相当クレームが入っているようです。」 との事でした。 『残るも良し、外れるも良し』 極めて平静に成り行きを見つめておりましたが、結果は四度目の入閣という事になりました。
それにしても、総裁選で麻生太郎候補は善戦したと思います。私自身は 150 票から 170 票と想定し、何とか 150 票以下にならないようにと願っておりましたが、結果は私の予想を遥かに超える 197 票でありました。さすがに麻生氏本人は大した読みで 195 票までカウントしていたそうです。この結果は麻生氏個人のみならず、自民党にとってありがたい結果だったと思っています。一つには、もちろん麻生さんの魅力による事だとは思いますが、自民党が健全なバランス感覚を発揮したという点、二つにはカリスマ性のある麻生カードを自民党は温存できたという点であります。
先日、麻生選対の幹部が慰労会を行いましたが、福田政権を一致して支えて行こうという確認とともに、麻生氏の善戦を喜びあいました。私も 『背水の陣内閣』 の一員として、仕事で実績を示していかなければなりません。認証式の夕刻には北京に出発し、日中省エネ・環境フォーラムに日本側主催者として出席致しました。
小泉政権時代に途絶えていた日中政府間の定期協議を再開させた第一号が、私と中国国家発展改革委員会 馬凱大臣との日中エネルギー大臣定期協議でしたが、今回のフォーラムはその具体的案件として位置づける事にしています。中国企業に対する省エネや公害防止技術の日本企業による供与により、中国側はエネルギーを節約し環境に貢献し、日本側は省エネ設備の販売やコンサルティング料の取得を通じて日本企業のビジネスになる、というものです。
また、鉄鋼やセメントや化学や電力といった各セクター別に省エネを進めていくというアプローチは地球温暖化防止の新しいスキームとして日本が提唱しているものであり、2050 年に全世界の CO2 排出量を半分にするという安倍イニシアティブ 『クールアース 50』 への道のりでもあります。
温暖化防止問題は来年の洞爺湖サミットの第一議題になるはずですし、それに向けて日本がリーダーシップをとっていく、そのためには中国・インドを巻き込むという極めて大切な道標と、今回のフォーラムがなっている訳です。
経済産業省が、環境省や外務省と連携を取りつつ、地球温暖化防止の世界的枠組みの構築に向けて、今、汗をかいています。