国会リポート 第60号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

総 覧

拉致事件で北朝鮮側が示した証拠は、またもやでたらめでした。日本の DNA 鑑定技術を甘く見ていたとの解説がありますが果たしてそうでしょうか。

いずれバレてしまう贋の証拠を提出して交渉を長引かせる意味があるのか考えてみると、北朝鮮側に引き伸ばすメリットは何もないと思われます。日本側のフラストレーションが極限にまで達していることを承知しているはずですし、小出しに情報を出しながら援助を引き出していこうという作戦は、もう通じないことを良く承知しているはずです。だとすれば、出したくても出せない事情があると考えるほうが素直だと思います。事実を公表すれば更に事態が悪化すると北朝鮮側が考えるなら今回のような行動をとるのではないでしょうか。拉致者の生存に一縷の望みを託しているのは全国民共通の想いですが、北朝鮮側が遺骨の確認も出来ない状況に被害者が置かれているとしたら、金正日独裁政権の非道さは更に筆舌に尽くしがたいものといえます。六カ国協議の開催に北朝鮮を追い込んでいかないと核ミサイル開発を阻止することは出来ません。小泉総理が残りの食料人道支援を凍結しつつも、経済制裁に言及しないのは北朝鮮を追い込みつつ六者協議に引き出すことを考えているからです。

12 月 9 日の閣議でイラクへの自衛隊派遣を一年延長いたしました。事前に訪問した大野功統防衛庁長官、自民武部・公明冬柴両幹事長からは 「自衛隊の宿営地サマーワの治安が比較的安定している」 「自衛隊の浄化給水活動や学校復旧活動、そして医療支援活動はサマーワ市民の圧倒的支持を受けている」 との報告がありました。「なぜサマーワなんだ」 との質問をよく受けますが、フセイン独裁政権のとき一番虐げられていたのがサマーワを中心とするムサンナー県であり、そこだけが取り残された地域として生活水準が落ち込んでおり、今回の支援を通じてようやく他の地域並みになるからであり、同時に虐げられていただけに反フセインの意識が強く市民が力を合わせて自衛隊を守るという機運が醸成されているからです。

延長要請の署名が集まったり自衛隊支持のデモ行進が起きたりすることからも現地の状況を知らせるマスコミの報道が正確さを欠いていると言えましょう。

 

今週の出来事「投資効果ゼロ?

 

いま選挙区に貼ってあるポスターは20年前と現在の写真が並べてあります。

「若い方の人、あれ息子さん?」 と言う方から

「なぜ太川陽介と一緒に撮っているの?」 と言う質問までさまざまです。

でも行き着くところ 「甘利さん変わらないわね、若さの秘訣って何?」 と良く聞かれます。実は若返りの薬を飲んでいるんです。『コエンザイムQ10』 というテレビの 「発掘あるある大辞典」 に登場した細胞活性化サプリメントです。テレビで取り上げられた翌日から品切れ、店頭から姿を消しました。もう三ヶ月飲んでいます。テレビで取り上げられる度に新しいのを色々買い込んで飲んでいるものですから、いまや四種類のサプリメントになりました。変わった事といえばただひとつ、体重は軽くならず財布が軽くなっただけ・・・何の変化もありません。