国会リポート 第3号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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国会会期も残り少なくなりました。(6 月 19 日まで)

会期延長論が新聞紙面を賑わしておりますが、国会解散と会期延長は上提する前日まで否定してよい、というのが習わしです。建て前は会期中にすべての法案を処理するということになります。処理できるところまでして一旦会期を閉じ、気分一新して臨時国会に臨むか、長期延長してでも全案件を処理するか、判断の分かれ目は 6 月に入ってからです。

 

今週の出来事「私の提言に沿って国家戦略ができてきた

 

○ 数年前から構想を練り提言しつづけてきた知的財産権国家戦略構想のとりまとめを、5 月 17 日金曜日、総理に提言いたしました。この提言は政府の知財国家戦略会議の大綱の中に大部分が採用される見通しです。

今、日本は経済的成功を収めて生活水準が向上し、賃金が上昇、そのことが高コスト構造の一因となり逆に競争力が減殺される、というジレンマに陥っています。賃金を下げることによって競争力を回復させるという選択は本末転倒で、むしろ高い賃金でも勝てる経済構造に日本を改革していくことこそ、採るべき選択です。日本経済の基本設計図面を 50 年ぶりに書き換える画期的提言です。

○ 小泉総理に知財戦略提言を行う際に、初めて新首相官邸に足を踏み入れました。

在米、在中日本大使公邸 (皇居新宮殿の設計者によるものだそうです) を訪れたような第一印象です。広いロビーは、ビルの中の落ち着いた和洋空間、内外に竹林の小和庭があり和魂洋才の様相。待合室から総理の会議室へとつづくエスカレーターは、段差の少ない、空中にかかる長い橋のよう。そう、まるでフランスのシャルル・ド・ゴール空港みたいです。