国会リポート 第14号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

総 覧

自由党が党の生き残りをかけ、民主党との合併を模索しています。

小沢一郎党首は政治生命の危機に瀕するたびに、巧妙な戦術でそのピンチを切り抜けてきましたが、このままだと次期総選挙は万策尽きて臨む可能性が高くなっています。前回の総選挙では、保守党と自由党が分裂した際に、分党という形はとらせず自由党離党という形をとり、保守党と分けるべき政党助成金を 1 銭も渡さず、数億円を全額テレビ CM をはじめとする選挙戦に投入し、選挙を切り抜けてきました。今回、選挙資金も底を尽き、党組織も思うに任せず、風を起こすだけのパワーも無く、足腰の弱い議員を再選させる可能性はほとんどない閉塞状況の中で、それを打破するために野党の再統一をしかけ、野党の結集の中で党所属議員の生き残りを果たし、再度 「陰の支配者」 として君臨する戦術に出ました。

しかしトップダウン方式はオーナー政党の自由党では通じても、パートナーの民主党では通用せず、小沢氏への警戒感が一挙に広がってしまったというのが現状です。小沢氏は不思議な政治家で、側近であればあるほど後に敵対関係に回る、という歴史の繰り返しでした。さらに不思議なことに、側近が離れると次々に新しい側近が現れるという展開できましたが、いよいよその弾も尽きつつあるというのが政界の見方です。

一方、自民党は反小泉の動きが次第に露骨になってきました。亀井静香氏を先頭に江藤・亀井派がその急先鋒ですが、経済の低迷をテコにしたその運動も、蓋を開けてみれば意外と広がらず、趣旨 (小泉倒閣) を理解せず会合に出席した参加者には、戸惑いの色が見えているようです。

沈静化のためにペナルティーを加えるか、無視をするか、思案のしどころでしょう。

 

今週の出来事「忙中閑あり

 

今週はサッカークラブチーム世界一を決めるトヨタカップと K-1 ワールドグランプリ決勝が行われます。かねてからぜひ行きたいと思っておりましたが、幸い友人が声をかけてくれました。 世界ナンバー 1 クラブ・レアルマドリードのスーパースター達のプレーにワクワク、ボブ・サップとジュロム・レ・バンナの闘いは壮絶なパンチやキックの応酬になるであろうと思うと、今から血がたぎります。