国会リポート 第122号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

総 覧

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。年明け 4 日から海外出張し、帰国するや国会がスタートし、先週年明け第一号を書こうとしておりましたら、日本一頑強だと信じていたこの私が風邪で倒れてしまいました。丸一日寝込んだのは記憶にないくらい昔、実に 20 年ぶりぐらいです。そんなこんなで、今日まで遅くなって申し訳ありません。

先般、昨年からの最大の課題でありました 『テロ対策支援のための給油・給水新法 (補給支援特別措置法)』 が、晴れて可決・成立いたしました。中東地域からタンカーで運ばれる石油に輸入の 9 割を頼っている日本にとって、その航行の安全は死活問題です。インド洋の航行の自由がテロ組織に委ねられないという事は、まさに日本の国益に直接つながっている事でもあります。日本向けタンカー 1 隻ごとに海上保安庁や海上自衛隊が警備についてまわる訳にはいかない以上、海域をテロリストや海賊が跋扈 (ばっこ) しない事が重要です。

もちろん、かつてテロ組織の訓練基地と言われたアフガニスタンの民主化・平和と発展に貢献する事は世界の治安の安定に資する事は言うまでもありません。与野党対決の最大案件の本会議採決時に事もあろうか野党の責任者が途中退席をして選挙の応援に行ってしまうという事態は、憤りを通り越して唖然とする他ありません。また、小沢党首のその行動に対して民主党が厳重注意処分を出来ない事態に、事の深刻さを覚えます。

年明け早々の海外出張、UAE アブダビ首長国のムハンマド皇太子はじめ各閣僚との会談は、日本の石油上流開発への権益の延長も中心課題の一つでした。石油を安定的に日本に供給する事は日本が関わる油井をいかに多く持つか、という事が課題です。ムハンマド皇太子はじめ関係者は、上流開発への日本の参画と権益の延長に、私との会談で初めて積極的な姿勢を示しました。

私が資源外交に危機感を持って取り組んでいる理由は、世界の潮目の変化を肌身に感じているからです。石油や天然ガスは従来から戦略物資と言われましたが、いまや鉱物資源に至るまで戦略物資となり、まさに世界は 『買ってやる』 から 『売ってやる』 に変わりつつあります。レアメタルに至っては言うまでもありません。モノ作り日本のモノ作りの原材料が思うに任せないようでは日本の明日はない、と考えるからです。

 

今週の出来事「お父さんはイヌ、私は探偵

 

パソコンはインターネット社会においていまや生活必需品となっておりますが、コンピューターウイルスや有害サイトの危険と隣り合わせである事も事実で、一つ間違えば誰でもデータの盗難・破損やネット詐欺の被害者になり得るという危険と隣接しています。そこで経済産業省では毎年 1 月中旬から 3 月までを啓蒙期間として 『チェック PC キャンペーン』 を行い、ウイルスチェック等のキャンペーンを行っています。

その広報大使、つまりキャンペーンガールに今年は女優の上戸彩ちゃんになってもらいました。ネット犯罪者を探し出すシャーロックホームズならぬ 『シャーロック・アヤ』 としての就任式に臨みました。名探偵シャーロック・アヤにマントを着せ、虫眼鏡を渡したところでカメラに向かって 「ハイ、ポーズ!」

するとテレビカメラのスタッフから 「二人で決めゼリフを言ってください」 との要求。そこで上戸彩ちゃんの 「せ~の!」 に合わせて 「狙われているのはアナタです!」 との決めゼリフはピタリと息が合って決まりました。

(私) 「次の共演者は俺だな。」

(彩ちゃん) 「光栄です。」

『やっぱ、上戸彩ちゃんはいい子だよなぁ。コラッ、ミクシィ! 「大臣はノー天気だ」 なんて言うな!』