国会リポート 第96号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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有力な総裁候補と目されていた福田康夫氏が正式に不出馬を表明いたしました。これにより、安倍官房長官の独走になったと各紙は報じています。

私は、春先から福田氏は出馬をしないと予測しておりました。氏の性格からいって、雌雄を決するような戦いは好まない人ですし、選挙を含めその種の経験がありません。唯一出るとしたら党内の五割以上の支持が固まり、神輿になってくれるよう要請が来た時だけだ、と解説しておりましが、物の見事に的中いたしました。番記者たちから、終始先生の見通しは正しかったですね、と妙に関心されましたが、普通に考えれば誰でもわかる事です。

しかし、早すぎる撤退宣言は、一方で世紀の大イベント自民党総裁選を消化試合にしてしまったという事が懸念されます。残された対立候補、谷垣財務大臣と麻生外務大臣は己のビジョンを明確にし、マスコミの露出度を思いっきり引き上げてもらわなければなりません。政治番組以外へも積極的に出演し、自身の人柄を売り込むことも肝要です。

私も政治討論会以外の番組からの出演要請になるべく応える方針にしています。あるバラエティ番組で落語家の林家正蔵師匠 (旧こぶ平氏) と共演した際、「大名跡を引き継いで浮かれた番組に出ていると関係者から批判が出ませんか?」 と尋ねたところ、「えぇ、それはありますけれども、テレビで売っていないと落語自体の人気が出ませんから。みんなが関心を持ってくれない事には始まりませんから。」 という答えでした。政治と娯楽番組との関わりにも通ずる事と思い質問した訳ですが、私もその通りだと思います。

先般、日中国会議員書道展が北京の国家博物館で開催され、日本側代表として開幕式で挨拶し、テープカットに臨んで来ました。首脳間政治対話が滞っているので、文化交流は更に加速していこうという機運が日中間に満ちていて、その一環としての今回の催しでもありました。民間人の主導によるこの催しに、国家博物館のメインホールを用意した事にもその思いが表れています。

午後から中南海で唐家せん国務委員(前外相)と会談しましたが、靖国に対する言い回しも、従来よりかなり気を使った表現になっており、次期政権でも袋小路に入らぬようお互いが工夫をしようとの想いが込められているようでした。戦中派の方々と話をすると 「三百万人も亡くなった戦争の責任が誰にもないというのでは納得できない。戦犯分祀が妥当な選択だ。」 という人が多くなってきたような気がします。

『日本をとるか中国をとるか、我々に迫るような事だけは勘弁してくれ。』
一月に ASEAN を歴訪した際のある国の首脳の言葉が思い起こされます。

 

今週の出来事「大会は参加する事に異議あり?

 

「書の得意でない私が思い切って出品したのは、『この程度なら自分にも頑張れる』 と多くの人に勇気を与え、書道という素晴らしい文化を未来永劫伝えていく礎になればと思ったからです。」

日中国会議員書道展の開会式での私の挨拶の一コマです。

さて会場に入ってビックリ。中国側の達筆さは予想された事ですが、日本側出品者は私が勇気をもらえるような作品が何点もありました。

某野党党首、小学生が一生懸命書いたような字は良しとして、余白がないため書いた字の上から自分の名前を書いてしまうのはいくらなんでもマズイんじゃないですか?

正面ステージに掲げてある民主党某議員!あなたの作品はただデカイというだけでそこに掛けてあるんですからね。この次はもっと謙虚な大きさにしなさい!

次回は日本で開催しようという事になりましたが、日本側出品作品は予選会を開くことにします。

『最低限、私以上である事』