国会リポート 第100号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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念願の経済産業大臣に就任いたしました。ライフワークとして今日まで経済産業政策に取り組んで来ただけに感慨もひとしおです。

二十三年前の初当選の時に、ライフワークとして取り組むテーマを通商産業政策と決めました。もちろん、社会保障政策や国防治安災害対策政策はセーフティネットとして欠かす事はできませんし、国土交通政策も都市の高機能化や地方の振興に欠かせないと思いますし、文教政策は『人作りは国作り』 国家百年の計である事は論を俟ちません。その他諸々すべての政策に優劣は付けがたい事は事実ですが、いかなる政策もそれを推進する原資がなければ机上の空論に終わります。

経済産業政策は国富を生み出す、まさにあらゆる政策の原資を生み出す政策です。資源がない、国土は狭い 『ないない尽くし』 の日本が今日まで来る事ができたのも産業を興し、貿易を振興し、額に汗し国民が働いて国富を増やして来たからに他なりません。政治の使命は国民生活の安定と向上です。すなわち、昨日よりも今日、今日よりも明日と、国民生活が安定し向上していく事こそ我々の責務です。

今日まで私は数々の政策提言をし、国策として採用・推進されて来ました。十数年前の創造的中小企業振興法、八年前の中心市街地再活性化スキーム、六年前の知的財産国家戦略、四年前のエネルギー政策基本法 (議員立法)、三年前のコンテンツ促進法 (議員立法)、そして昨年の町づくり三法見直しスキーム、更には適切な M & A を始めとする企業統治ルールの制定等々、全て私が仲間を率い 『チーム甘利』 として提言した政策です。

就任後の記者会見で某マスコミが 「前大臣はコンテンツ政策に積極的に取り組みましたが甘利大臣はどうされるつもりですか?」 とトンチンカンな質問をしましたので、「コンテンツ政策の憲法とも言えるコンテンツ促進法は誰が作ったかご存知ですか?およそ経済産業省の新たなる政策のかなりの部分は私の提案によるものです。」 と言いましたら、黙りこくってしまいました。

安倍総理は、待ったなしの課題である財政再建は健全な成長経済があって初めて成就する。経済を無視した歳入歳出の帳尻あわせでは必ず失敗する。また、安易に消費税増税に頼ろうとすれば歯止めの利かない高税率を国民に課すようになる。と述べています。行政改革の手を緩めず、経済成長による税収増にあらん限りの知恵を絞り、その上で足らずまいを消費税として国民にお願いをする。この気持ちが 『消費税から逃げる事はしませんし、消費税に逃げ込むつもりもありません。』 というワーディングに端的に表現されています。

就任の際の安倍総理からの言葉は 「経済成長戦略をしっかりお願いします。」 でありました。

私の返答は 「任せて下さい。」 です。

 

今週の出来事「最強のサポーター

 

組閣のかなり前から新聞・テレビを通じて 『甘利明氏、入閣有力!』 と再三再四、報道されました。

その影響で地元のボルテージは上がりっぱなし。地元に帰れば 「おめでとうございます。」 とか 「ポストは決まりましたか?」 とか矢継ぎ早に言われる始末。「まだ何も言われていませんから。」 と否定するのに躍起でしたが、そのうち段々と 『こんな騒ぎになって、結果ふられようものならどのツラ下げて地元に帰るんだろう…』 と次第に憂鬱になってきました。

まぁなるようにしかならん、と開き直りましたが当日午後 2 時 52 分、総理から連絡を頂いた時には流石にホッとしました。

記者から 「総理からの着メロは別にしてあるんですか?」 と聞かれ 「いや、マスコミとそれ以外でしか区別はしてありません。」 と答えましたが、実は家内だけは別の着メロにしてあります。