国会リポート 第65号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

総 覧

予算案の衆議院通過が 3 月 2 日と決定を致しました。昨年が 3 月 5 日でしたから、かなり迅速なように思えますが、審議入りしたのは去年より一週間以上早かったので、審議時間はここ数年間で最大となりました。総理の出席日数もテーマを絞り込んだ集中審議も最大となりましたので野党のメンツも十分立ったと思います。

やりにくかった事は、与党側からはスムーズで迅速な審議が要求されますが、それをマスコミ流に評価すれば与党の言いなりで野党がだらしがないという紙面になってしまい翌日、野党は抵抗せざるを得なくなります。予算案と同時に本会議処理をしなければならない国税や地方税・地方交付税を担当する委員会が野党の抵抗で空転しましたが、予算委員会がスムーズに行き過ぎたので与党の脇の甘い所を攻め込まれたと言う解説が流布されました。前代未聞の事態でした。審議が紛糾している時にはマスコミが野党を評価し、充実した審議がスムーズに行われると与党ペースという書かれ方は何とかして欲しいものです。テレビの中継が入るとろくでもないアジテーションの質疑をしていた野党議員が、テレビの入らない平穏な状況になると目を見張るような素晴らしいやり取りを展開している状況を見るにつけ、国会らしい政策論争をもっとマスコミには評価してもらいたいと常々思います。

通常国会における最大案件は予算審議でありますが、これが終わるといよいよ注目の (とは言っても国民の注目度は低いようですが) 郵政民営化方案が上程されます。提出は連休前くらいではないか、と憶測されていますが与党内調整はまだひと山ふた山ありそうです。先般、民営化に批判的な議員の会が開かれ、五十数名の出席と報道され緊張感が党内に走りました。郵政事業の民営化により、どの部分に国民の利便性向上が図られるのか具体的説明が今後政府に求められます。

 

今週の出来事「緩褌(ゆるふん)

 

連日、朝 (8 時 20 分) から晩 (19 時過ぎ) まで拘束される予算委員会理事達にとって、唯一の楽しみは昼の理事会で出される弁当です。皆の希望をとって日替わりで色々なものが出されます。ある日は寿司であったり、ある日はステーキ弁当であったり、牛丼であったりとバラエティに富んで結構評判が良かったんですが、人気ナンバーワンは何と野菜のカレーライスでした。予算委員会でも風邪が流行っているものですから次から次へと理事が罹患し、お腹を壊している理事はステーキに手を付けることすら出来ず、後でうどんをすする始末。そこでカレーが一番喜ばれました。この分で行くと最高人気メニューはお粥になりそうです。

「甘利委員長は風邪ひかないですねぇ?」

と野党理事からよく言われるのですが議員生活 21 年間、風邪で寝込んだのは 1 日だけですから相当なもんだと自分でも思います。

「そういう人って突然ぽっくり逝くんだよね・・・。」

今年はなんとか寝込まなきゃ・・・。