国会リポート 第25号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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昨日 (5 月 15 日) 有事関連 3 法案が衆議院を可決通過し、参議院に送付されました。与党 3 党と民主党との修正協議が実り、さらに自由党も賛成し 9 割以上の衆議院議員が賛成する法案となりました。

有事立法の歴史は発意から四半世紀を迎えますが、野党第一党、第ニ党が賛成し可決したことは関係者にとって感慨ひとしおであると同時に、時代の変化を感ぜずにはいられません。有事を議論することすらタブーとされてきた日本の国会は、何もしなければ平和でいられるという能天気で思考停止状態でありました。外国に攻撃された時に対処するルールすら決めていないということは、そうした事態にノンルール、つまり超法規的措置で対応することに他なりません。

野党は有事の際にも国民の基本的人権の保護の必要性を強調しますが、超法規的措置で自衛隊が行動していけば基本的人権の侵害の恐れはより大きいということは、小学生でも理解できる理屈です。もし与党案に不備があるなら、或いは民主党との修正案に反対なら、社民党・共産党は自分達の対案を出すべきなのです。そうでなければ、有事には自衛隊は超法規的に行動するしかないのです。

基本的人権が大事といいながらそれを無視しているのは、この法案に反対した社民党・共産党であると糾弾されても仕方のないことです。

 

今週の出来事「手強い!! 四番サーズ 長嶋!?…

 

5 月 18 日から山崎幹事長が訪中し胡錦濤主席と会談を行います。世間では日中首脳会談の露払い役としてこちらから要請したように伝わりましたが、その実は民主党や社民党が露払いではまずかろうと中国側が気を利かせて訪中要請をしてきたというのが内情です。政治的には共産主義体制である中国政府もカウンターパートとして敬意を払っているのは、当たり前の話ですが政府自民党なのです。

SARS (新型肺炎) のため、会談は随行者を含めて釣魚台迎賓館に閉じ込めるという厳重管理体制で行われますが、山崎派内では帰国後誰が一番早く幹事長と接触するかで大揉め。「一週間位どこかへ閉じ込めておこうか」 という発言も出ましたが、まあ無理でしょうね。

だけどよく考えたら、帰国した夜、幹事長は私のパーティーに出席することになってました。