国会リポート 第20号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

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米英を中心とした多国籍軍によるイラク攻撃が、いよいよ間近に迫りました。

世論調査では圧倒的多数が平和的解決を望んでいます。誰しも、それができれば反対する人はいません。しかし、平和的に何を解決するのか。そしてそれは平和的に可能なのかの検証が大切です。

やるべき事、それはイラクの十数年にわたり繰り返された国連決議違反を正すことです。国連決議 1441 は大量破壊兵器 (核・生物・化学兵器) を廃棄した事実を自己 (イラク) の責任で立証せよ、というものです。大量破壊兵器を作製し一部使用したことは事実であり、さらに大量製造しテロ組織をはじめ世界中に販売・輸出を開始されては、もはや取り返しのつかない状況になるのです。これを食い止めるには、最終的には武力行使を持って対処しなければ止まらない瀬戸際にきているからです。再三再四平和裡に呼びかけてきましたけども、フセインは馬耳東風。平然と細菌兵器・化学兵器・そして核兵器まで完成させようとしています。『アメリカが戦争を仕掛けている』 と捉えられていますが、イラクによる前段がなければこういう事態は起こり得ないのです。

最期通牒を突きつけるたびに国際世論の同情を買うような狡猾な小出しの策は、老獪なフセインの常套手段であることを見抜く冷静な眼が必要です。核ミサイルが完成してしまった後では、もう打つ手はないということを心に刻むことが必要です。イラクが言い逃れで国際世論をごまかすことが出来れば、北朝鮮はこのやり方を必ず踏襲します。かつて金日成は 「3 時間でカーター (米大統領) を土下座させた。金泳三 (韓国大統領) など 30 分でひざまずかせてみせる」 と豪語した事を、亡命した北朝鮮幹部は述べています。武器輸出を最大の外貨獲得手段と考え、核ミサイルを最大の脅し外交の交渉力と考えている輩が最終兵器を完成させてしまったら、もはや我々は彼らの奴隷になるしか道はないのです。

情緒論や、マスコミ受けする選挙向けパフォーマンスではなく、冷酷な現実に真正面から向かい合い、国民に理解を求める姿勢が必要となります。

 

今週の出来事「流行の先取りも良し悪し!?

 

今や 5 人に 1 人の国民病と言われている花粉症のシーズンがやってきました。

32 歳で発症し花粉症歴 21 年の私は相当なベテランです。この世に存在する治療法は全てと言ってよいほど実験してきました。結論から言えば、気休め以上のものではありません。ただ一つ、昨年秋に超音波メスによる鼻閉塞改善手術を行いましたが、これは鼻の通りだけは良くなります。手術そのものは 20 分で終わりました。

自民党のハクション議連 (花粉症対策議員連盟) は結成して 3 年目になるのに抜本策が出てこないので、業を煮やして事務局長の山口俊一議員を糾弾しましたら 「 3 年後に抜本対策ワクチンが完成します。それまで待ってください」 とのこと。

今は犬の実験には成功しているとのことですので、犬並みの体質の方、よかったら今すぐにでも紹介しますよ。