国会リポート 第6号

甘利明本人が綴る、毎月2回のコラムです。国政で今何がおきているのか解りやすく解説しています。

総 覧

国会会期も残り 20 日間を切りました。

7 月 18 日までに衆議院を通過できない法案は参議院で審議未了となる可能性が高いため、法案ごとに対処の仕分けをしなければなりません。健康保険法と郵政事業法はすでに参議院で審議中ですが、問題は有事法制と個人情報保護法です。

どういう形で臨時国会につなげていくか、ぎりぎりの段階で山崎幹事長と大島国会対策委員長の判断にかかっています。

 

今週の出来事「飛んでくる弾は、前からより後ろからが多い?

 

執行部なかんずく山崎幹事長批判が党内でボルテージを上げています。

前 (野党) から飛んでくる弾よりも、後ろ (自民党内) から飛んでくる弾のほうが多いと錯覚する今日この頃。先般、森前総理が 「 (山崎氏は) 幹事長職にこだわらず重要閣僚にポスト換えするのも一考だ」 とコメントしたことが党内で波紋を呼んでいます。

「重要ポジションであれば、党であれ内閣であれよいではないか」 という考えは相当乱暴な発想です。幹事長が総理のほうばかり向いていて、少しも党のほうを向いていないというのが反執行部派の不満ですが、幹事長は 「小泉総理のかかげる理念・理想をできる限り受け止めて実行してあげたい、そのためには自分が盾になる」 という覚悟で就任している以上、山崎氏が幹事長職にいることが小泉総理にとって極めて重要なことであり、党の代弁ばかりしている幹事長と交代することは、小泉総理にとって 「傀儡政権になれ」 ということと同義語になってしまうのです。

そこを理解するか、あるいは従来の自民党的発想 (何よりも党内のバランスを第一と考える) で考えるかの違いが、そこにあるわけです。